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矯正歯科
2016.12.23

矯正時に抜く必要がある親知らずを放置すると?磨き残しで歯茎が腫れる危険

はじめに

親知らずは抜くべきかどうか、多くの患者が悩むところでしょう。
特に矯正治療を行う時は、親知らずをそのまま置いておく場合と抜歯が必要なケースが出てきます。

親知らずは、生え方によって噛み合わせや歯並びに大きな影響が出るため、そのままにしておくと他の歯に悪影響を与えるだけでなく、虫歯になったり腫れやすい歯でもあるため、抜歯の対象となるのです。

親知らずは全て抜くべき?

矯正に限らず、親知らずが真っ直ぐ綺麗に生えており、噛み合わせにも問題がない場合は、そのまま置いておくことがあります。また、完全に歯ぐきの中に埋もれており、歯並びや他の歯に痛みなどが全くない場合も非抜歯の対象となります。

しかし、親知らずの生え方や状態によっては抜歯の対象となることがあります。噛み合う歯がないため噛み合わせがずれている、斜めに生えてしまっている、また歯ぐきの中に半分以上埋もれており、少しだけ生えている場合などがあります。レントゲン撮影を行なうと、どんな生え方をしているか、またそのために口の中全体がどんな歯並びになっているかなど、問題となっているところがよくわかります。特に矯正治療においては、親知らずが他の歯に良くない影響を与えることがあり、歯科医師の判断で抜歯が必要になることも考えられます。その場合はできるだけ早めに抜くほうが賢明です。

もし、歯科医院で抜いたほうがよいと診断された親知らずを放置しておくと、どんな影響が起きるのでしょうか。

親知らずが引き起こす影響
親知らずが引き起こす影響

親知らずはいちばん奥に生えていることから、歯ブラシが届きにくい部位です。歯科医院で「親知らずをしっかり磨くように」と言われても、綺麗にするのはなかなか難しい場所です。そのため念入りに磨いても食べかすが残りやすく、汚れが溜まってしまうため、どうしても虫歯や歯周病になりやすいのです。

親知らずが虫歯になり痛みを伴うと、抜歯はすぐに行わないことが多いです。痛みと腫れがあるときは麻酔が効きにくいため、消炎鎮痛剤などを詰め1週間ほど様子をみて、痛みと腫れが治まったことを確認して、抜歯を行うことになります。

親知らずの歯周病も、ブラッシング不足で起こってしまいます。プラークが溜まり、そこから歯周病菌が繁殖し、歯ぐきの腫れや出血、口臭など歯周病の症状が出てきます。抜歯をする場合は、まず歯石取りや抗生物質投与などの歯周病治療を行い、歯ぐきの状態を整えます。歯ぐきの状態が安定しないと、抜歯後の治りに時間を要してしまうことがあるためです。

また歯周病が親知らずだけでなく、他の健康な歯にも影響が及び、歯肉の腫れなど軽度なものから、歯槽骨の吸収など重度の歯周病になってしまいかねません。こうなると、矯正治療にも少なからず影響が出てくるため、注意が必要です。定期的なクリーニングや歯石除去などを行い、常に歯と歯ぐきの状態を整えておくことが必要です。

親知らずだけでなく、隣接する歯、つまり第二大臼歯にも悪影響が及ぶ可能性があります。歯磨きがきちんとできないと、親知らずよりも大切な第二大臼歯が虫歯や歯周病になる恐れがあります。第二大臼歯は噛むことにおいてとても大切な歯のため、この部位が虫歯や歯周病になるのは是非とも避けたいところです。

<歯ぐきが腫れやすくなる>
親知らずのことを「智歯(ちし)」と呼びますが、この親知らずの周囲の歯ぐきに炎症が起きて腫れることを「智歯周囲炎」と言います。これは磨き残しが原因で歯周ポケットに汚れが溜まることで歯ぐきが炎症を起こしてしまい、腫れや痛みを伴う症状を言います。

また、体調不良や睡眠不足で抵抗力が落ちているときや、肩凝りがひどいときも智歯周囲炎になることがあります。治療法としては、抗生物質の服用やペリオフィールなど歯科用軟膏を直接歯ぐきに注入することで様子を見ますが、腫れが酷くなり膿を持ってしまうと、歯ぐきを切開して膿を出す外科処置を行なうこともあります。

しかし一時的な処置で痛みや症状を軽減できても、親知らず周囲の腫れは何度も繰り返し起きてしまいがちです。

智歯周囲炎はひどくなると、口を開けることも困難になります。また頭痛や目の奥が痛くなり、鎮痛剤が欠かせない状態になってしまいますが、そのたびに歯科医院で処置してもらっても、根本的な治療とは言えません。親知らずを抜歯することが最善策のため、状態が落ち着いたときに抜歯することがベストです。

<他の歯並びに重大な影響を与えてしまう>
親知らずの生え方は個人差があり、まっすぐに生えている場合や斜め向き、あるいは横向きになって生えている場合があります。特に歯ぐきから少しだけ顔を出し、それが横向きの場合、そのまま放置しておくと虫歯だけでなく、他の歯を押してしまい歯並びが悪くなるなど、重大な影響を与えてしまいます。

<咬合痛>
親知らずが虫歯や歯周病になっていないのに、噛むと痛みを感じる咬合痛も問題点として出てきます。これは噛み合わせがずれることにより生じる痛みであり、抜歯をして矯正治療を行うことで噛み合わせを正常にしていきます。

親知らずに汚れを溜めないケアが重要
親知らずに汚れを溜めないケアが重要

虫歯や歯周病を防ぐ基本は、やはり日常の歯磨きです。しかし最初に述べたとおり、親知らずはとても歯磨きを行いにくい部位です。普通の歯ブラシを用いてもなかなか上手に磨けないため、虫歯などのトラブルが起きてしまうのです。こういったことを防ぐためのおすすめ口腔ケアグッズは、歯科医院やドラッグストアで販売されているワンタフトです。

通常の歯ブラシとは異なり、先端が少し尖った小さな毛束の形状は、親知らずや第二大臼歯の間まできちんと磨くことができます。また歯並びが悪く、歯と歯が重なっている部分や、リンガルボタンなど矯正装置をつけているところもワンタフトを使うことで、細かな汚れを落とすことができます。

寝る前だけでもワンタフトを使い、時間をかけて親知らずや周囲の歯を一本一本、丁寧に磨くようにします。仕上げに歯周病予防の洗口液を使うとより良いでしょう。

まとめ

このように、抜歯をしたほうがよいと言われた親知らずをそのままにしておくと、様々なトラブルのもとになってしまいます。できれば速やかに抜歯することが望ましいと思われます。

また矯正治療は歯並びと噛み合わせを整える治療ですが、それ以上に歯と歯ぐきが健康な状態であることがいちばん大切です。矯正治療を進めながら、定期的なクリーニングや歯石除去、日常のセルフケアで良い状態を保つことが、矯正治療の成功と言えるでしょう。

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