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矯正歯科
2016.12.29

歯の矯正完了後は歯茎の状態にも注意!歯周病リスクは早めに減らすべき

はじめに

矯正は、治療期間の長いことや費用面、矯正装置を装着することによる不快感など、患者様にとっては何かと負担の大きい治療です。虫歯や歯周疾患の改善と予防、見た目のコンプレックスなどを解消するためには、歯科医師・歯科衛生士・患者様が一丸となって治療と向き合い、歯列矯正と口腔環境の健康維持に努めていくことが大切です。

治療が完了すると、気の緩みからメンテナンスを忘れてしまう方も少なくありませんが、実はここからが第二のスタートと言っても過言ではありません。残念ながら、矯正完了後は一生その歯列が保たれるという保証はどこにもないのです。油断をすると、また元に戻ってしまう恐れもあります。

費やした時間や治療費が無駄にならぬよう、矯正治療後も変わらぬホームケアとプロフェッショナルケアを続けていくことが重要です。

矯正完了後も歯周病のリスクはある

矯正装置が外れた瞬間、これで終わりと安心してしまうこともありますが、矯正完了後は、必ず定期的にメンテナンスを受けなければ美しい歯列は保てないと言われています。矯正治療をしたからこそ、歯周病予防に取り組まなければならないのです。

歯を人為的に動かす矯正治療では、少なからず歯周組織に影響を与えています。この状態でプラークコントロールを怠ると更なるダメージを与え、歯周病の進行を加速させてしまう恐れがあります。

矯正完了後に抱える新たな問題
矯正完了後に抱える新たな問題

矯正完了後も、口腔内トラブルについて常に注意しなくてはなりません。とくに矯正を受けた方の場合は、次のようなリスクや注意点を忘れないようにしましょう。

<リテーナーの装着>
矯正治療完了直後は、まだ歯を支えている土台の骨(歯槽骨)が完全に固まっておらず、元の位置に戻ろうとする作用が働きます。このとき歯肉に炎症があると、歯の動揺を助長する恐れがあります。

綺麗な歯列を保つためには、歯を支える骨や顎が安定するまで「リテーナー」と呼ばれる保定装置の装着が必要不可欠です。毎日、指示された時間を守って装着します。特に治療完了後の1年間の装着は重要です。

リテーナーは、可撤式と固定式があり、どちらも歯垢の付着に注意が必要です。可撤式のプレートタイプは取り外して簡単に磨けますが、それでも汚れの付着が見られます。固定式はそのまま磨かなければならず、歯垢の付着や磨き残しは更に目立ちます。このことが引き金となり、歯周病を招く恐れもあります。リテーナーを装着していても、歯周病に罹ってしまっては歯列を維持することは困難です。そのため歯肉の状態を観察し、ブラッシング時に出血があった時点で早めの対処が必要です。

<歯肉退縮>
矯正治療を行う上で、いくつかリスクがあります。そのひとつに歯肉退縮があります。これは、歯を動かす際の矯正力が強すぎることで歯槽骨の吸収が起こり、結果として歯肉退縮を招くと言われています。

また、いわゆる乱杭歯(叢生)を矯正した際、歯の位置によって歯肉や歯槽骨がもともと薄いこともあります。その影響で歯の移動とともに歯肉も一緒に引き伸ばされることで、退縮へと繋がる可能性もあります。

注意したい点は、矯正だけが歯肉退縮を引き起こすわけではなく、その大半は過度のブラッシング圧や噛み合わせの問題、歯周疾患による歯周組織へのダメージが原因と言われています。また、矯正前の口腔環境も影響しているでしょう。

軽度であれば、移植のような外科的処置で改善も期待できますが、まずは歯肉退縮を食い止めるよう日頃のオーラルケアが重要です。退縮した部分は歯垢の付着も目立つため、柔らかめの歯ブラシで優しく磨くことを心がけましょう。

<歯根吸収>
もうひとつのリスクに、歯根吸収が挙げられます。歯肉退縮の原因と同様、歯を動かす力が許容範囲を超えてしまったことにより引き起こされる現象を言います。矯正治療では、歯を平行に移動する「歯体移動」と「傾斜移動」によって適切な位置へと導きます。これが歯根吸収へと繋がっていくようですが、この移動なくして矯正治療は成立しないことから、多かれ少なかれ、歯肉退縮や歯根吸収も矯正治療においては避けられないリスクと考えられているようです。

ただ、すべての症例に歯根吸収が現れるわけではなく、抜けてしまうほどの吸収を起こすこともないと言われています。注意したい点は、この状態で歯周病に罹ってしまった時のことです。歯根が短い上、歯周病によって歯を支える骨の吸収が進行すると歯の動揺を招き、最悪の場合、歯が抜けてしまう可能性も高くなります。矯正完了後は、見えない部分に問題を抱えていることもあり、これを防ぐためには、やはり徹底したブラッシングが大切だと言えます。

リスクを回避するために

矯正後に起こる歯や歯茎などのトラブルは、すべての方に起こるわけではありません。少しでもリスクを回避するために、日頃からいくつかの点を意識するだけで結果は変わるものです。

<プロによるメンテナンス>
歯は、元の位置に戻ろうという働きがあるため、矯正完了後の歯並びを維持するためには、歯列が安定するまでの間、リテーナーを装着しなければなりません。メンテナンスでは、リテーナーの不具合や噛み合わせのチェック、ブラッシングの指導などを行うことで問題の早期発見へと繋がります。

歯列が揃って磨きやすくなっている一方で、安心からくる油断もあり、気付けば自己流の磨き方になっていることもあります。歯周病は静かに進行していきますので、気付いたときには悪化していることもあります。必ずプロフェッショナルケアを受けましょう。

<ホームケアの徹底>
日頃の歯磨きは、虫歯や歯周病予防に欠かせない習慣です。特に歯垢の付着が目立つ場所は、歯間と歯と歯肉の境目だと言われています。歯肉に問題がなければ、歯面に対して毛先を90度に当てて磨くスクラビング法で、歯垢を効率的に落としましょう。歯肉炎が気になるようなら、毛先を斜め45度に当てたバス法で歯と歯肉の境目に付着した歯垢を取り除きましょう。

歯ブラシだけでは、60%ほどしか落とせないと言われていますので、必ずデンタルフロスや歯間ブラシを使用して磨き残しゼロを目指してください。

<歯周病を予防する歯磨き粉>
歯周病予防の歯磨き粉には、殺菌効果の期待できる「塩酸クロルヘキシジン」や抗炎症作用のトラネキサム酸などが配合されているものも多く市販されています。正しい歯磨きのもとで使用すれば、より一層予防効果は期待できるでしょう。

歯列の維持は矯正後も続く
歯列の維持は矯正後も続く

理想の歯並びを手に入れ、いよいよリテーナーが外れる頃になっても、残念ながら油断は禁物です。口腔環境を健康に保つためには、正しいブラッシングとメンテナンスが重要です。

せっかく綺麗に治しても、虫歯や歯周病に罹ってしまっては元も子もありません。また、加齢によっても歯は移動すると言われていますから、自分の口腔内に関心を持って、ちょっとした変化も見逃さず、リスクは早めに対処していきましょう。

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