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矯正歯科
2017.01.22

矯正のブラケットが何度も取れる原因とは TCHの人は要注意

はじめに

歯列矯正において最もスタンダードな方法は、ブラケットと呼ばれる矯正装置にワイヤーを通して、少しずつ歯を動かしていくやり方です。ブラケットは、金属でできているものや透明のプラスチック、セラミックなど様々ですが、このブラケットを矯正が必要な歯の表面に装着します。

しかし、このブラケットが取れてしまうことがあります。ブラケットが取れたら、すぐに歯科医院へ連絡をして着け直す処置をします。ブラケットを装着している以上、ブラケットが外れてしまうことはありますが、何度も取れてしまう場合はどんな原因があるのでしょうか。また、TCH(歯列接触癖)の患者さまはどんなことに注意をしなければならないか、その関連性も考えてみます。

ブラケットが取れてしまう主な原因は

ブラケットは、専用の接着剤を用いて歯の表面に着けられています。ブラケットは当然外すことを前提に取り付けられているため、接着力はそれほど強くありません。歯は個人差があり、ブラケットがしっかり接着されて一度も取れないこともあれば、歯の質によって取れやすい場合もあります。
以下は、ブラケットが取れてしまう主な理由です。

<フッ素塗布をした歯>
虫歯予防や初期虫歯の治療方法として、フッ素塗布を行うことがあります。フッ素はエナメル質を強化することで、虫歯になりにくくします。矯正治療においてブラケット装着が必要な場合、歯の表面をいちど脱灰させる必要があります。その際に、ブラケットを着ける歯にエッチングという処置を行ってエナメル質を溶かし、脱灰させてから装着します。ところが、フッ素塗布を行った歯はエナメル質が強化されているためにエッチング処理が不十分なことがあります。ブラケットが取れやすい歯は、フッ素塗布されている可能性があると考えられます。

<噛み合わせが深い、またはブラキシズムなど>
ブラケットを装着する際、噛み合わせの深さを考慮して装着する必要があります。頻繁に取れる場合は、噛み合せの深さに対しての装着位置に問題があると考えられます。またブラキシズムと呼ばれる噛み締めが原因で、ブラケットが取れやすくなることもあります。

<ブラケット装着時に唾液が入り込んでしまう>
ブラケットを接着剤で着ける時に、唾液が付着していると接着力が弱くなります。子供の場合は特に唾液分泌が多いため、しっかりと歯の表面を乾燥させて唾液を飛ばしてから装着する必要があります。

<粘着性のある食べ物、硬い食べ物によるもの>
特にガムやキャラメルなど、粘着性のある食べ物はブラケットやパワーチェーンなどといった矯正装置にひっつきやすくなります。このような粘着性のある食べ物は、歯からはがれるときに矯正装置にかなりの負担をかけてしまいます。このため、あまり好んで食べ過ぎるとブラケットなどにひっついてしまい、取れやすくなります。

またブラケットの上で硬いものを噛んでしまう場合も、ブラケットが取れてしまう原因になります。ブラケット装着し始めのころは慣れないこともあり、ついこれまでと同じような食べ物や食べ方をしてしまいがちのため、気を付けなければいけません。慣れてくるとコツが掴めると思います。

以上が考えられる主な原因ですが、その他の原因として、「TCH」が考えられます。
TCHはあまり馴染みのない言葉かもしれません。このTCHが歯列矯正において、ブラケットが何度も取れてしまう原因かもしれません。

TCHとは
TCHとは

TCHは「Tooth Contacting Habit」の略で「歯列接触癖」と言います。歯軋りやくいしばりと似ていますが、ギリギリと強く食いしばるのとは違い、上下の歯が「カチッ」と当たる感触です。TCHは無意識に行うクセのようなもので、肩凝りや頭痛の原因になります。そしてこのTCHは、口腔内において大きな影響を与えるのです。

通常は、上の歯と下の歯は接触していません。1日で上下の歯が接触する合計時間はおよそ17分で、食事や会話のときに接触するくらいと言われています。
そして普通に口を閉じていても、上下の歯の間には2~3ミリの隙間が開いています。歯が接触することは、咀嚼に関する筋力を使っている状態のため、筋肉の緊張状態が続いてしまうことになります。そのためTCHがある人は歯の接触時間がない人に比べて、筋肉の疲労や緊張が増加します。また顎関節症も、TCHの大きな影響によるものと言われています。

ではTCHが口腔内に与える影響はどのようなものがあるのでしょうか。
・慢性的な咬合痛(噛むと痛い、違和感など)
・歯周病の悪化
・インレーやクラウンなどが取れる
・歯冠破折(歯が割れる)
・口内炎を繰り返す
・舌や頬の内側粘膜を噛んでしまう

このように、TCHは口腔内の不調に直結していると言えます。そして口腔内の不調が、やがて体のあちこちに不快症状を引き起こしてしまいます。

TCHが歯列矯正に与える影響

TCHは上下の歯の接触のため、噛み合わせが深くなってしまう可能性が高くなります。TCHは無意識に行われるため、気がつくと噛み合わせが深くなり、その結果装置が壊れやすくなります。

そして当然ブラケットの脱離にも大きく関わります。ブラケットの位置決めは難しく、ただ着けるだけでは意味がありません。特にTCHがある場合は、TCHの改善を図りながらブラケットの脱離を想定に置いて位置を決めるべきでしょう。そして矯正治療により綺麗に歯が並んでも、TCHのために咬合不調になることもあります。常に歯が接触している状態は、歯に負担がかかることで歯が割れる破折の原因となり、将来的に抜歯になる恐れがあります。

その他にも歯根吸収の要因や前歯の凹凸、矯正で動くべき歯が動かないなど、様々な支障が出てしまいます。

TCHを意識して改善することと是正治療も視野に入れる
TCHを意識して改善することと是正治療も視野に入れる

このように、ブラケットが何度も取れてしまうトラブルはいくつか考えられます。その中のひとつ、TCHは矯正治療に限らず、日常的に行われることで口腔内などに不快症状が現れる引き金となってしまいます。

TCHは病気ではなく、癖なのです。歯が接触していることに気がついたときは必ず離すことを習慣づけるようにします。癖は自分で意識して改善することが大切ですが、それだけではなかなか思うような結果が出にくいでしょう。TCHの是正治療を行う歯科医院や大学病院などで相談をしてみてもいいかもしれません。

ブラケットが頻繁に取れてしまう場合はTCHも考えて、歯科医院で適切な処置と指導、日常生活で改善を目指していくべきでしょう。

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