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矯正歯科
2017.04.22

矯正歯科で使用するゴムはどうやってかけるの?歯並びに応じた掛け方とその必要性

はじめに

矯正治療において非常に幅広い症例の治療が可能であるワイヤー矯正。しかし矯正装置をつけているだけでは治療が難しいこともあります。そんな時に使用するのが『顎間ゴム(エラスティクス)』です。

あまり聞きなれないキーワードに思われるかもしれませんが、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口)といった比較的多く見られる症例においてよく使用されているものです。しかし『顎間ゴム』は、目的に応じた正しい着け方をしなければ歯科医師が期待する効果を発揮できないという注意点があります。さらに患者自身がつけ外しの管理を行うため、矯正のモチベーションが下がってしまうとゴムの管理もおろそかになりがちです。

そのため今回は、顎間ゴムを使用する重要な意味と、症例に応じた正しいゴムの掛け方についてご紹介いたします。

なぜ顎間ゴムを使うのか

歯列矯正は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正を問わず、基本的に横方向に歯を動かしているものです。そのため『顎間ゴム』を使用していない矯正の場合、歯並びのみを矯正していることになります。

ところが上下の歯が正しく噛み合っていない不正咬合にもなっている場合、歯並びを整えるだけでは症状を改善できません。このような歯並びと噛み合わせの治療を兼ねた矯正の場合に顎間ゴムを使用することは多いです。またゴムを利用した治療は適度な力で歯を動かすことができるため、スムーズな治療につながり、短期間で治療が完了します。そのため『顎間ゴム』を利用しているところは決して少なくありません。

歯の区別について
歯の区別について

ゴムの掛け方についてご説明する前に、まず歯の区別の仕方についてご説明します。歯は全部で32本あり、ゴムの掛け方をご説明するためには具体的な歯の種類についても触れなくてはいけません。よって簡単に歯の種類と呼び方についてご紹介します。

まず鏡で見ていただくとわかるように、歯は中心から見ると上下とも左右対称に並んでいます(生まれつき一部の歯が失われている先天性欠損歯の場合を除きます)。そのためすべての歯には区別しやすくするために番号が振られています。その番号は前歯からはじまり、奥歯に行くごとに数字が増えていきます。よって一番中心にある前歯を「1番」、そこから左右に進むごとに2番、3番となっていき、親知らずになると「8番」となります。そのためすべての歯は、右上の1番から8番、左上の1番から8番、右下の1番から8番、左下の1番から8番と分けられます。以下、前歯は1番から3番、その奥にある小さな奥歯を4番、5番、さらにその奥にある大きな奥歯を6番、7番、親知らずを8番と呼びます。

もっともわかりやすいのは3番です。すべての歯のなかでもっとも特徴がある「犬歯」、いわゆる糸切り歯が3番であるため、すべての歯と番号を一致させる時の目安にしてみてください。

症例に応じたゴムの使い方

ここでは『顎間ゴム』を使用する代表的な症例をご紹介します。また、その症例によってゴムをつける場所についてもご紹介します。治療の目的に応じてゴムをつける場所はある程度決まってくるため、あまり複雑なことはありません。

ただし、間違った場所にゴムをつけてしまってはいけないため、必ず鏡で歯を確認しながらゴムのつけ外しを行うようにしましょう。また、歯には矯正装置であるワイヤーやブラケットがついていることが前提となります。

<上顎前突(出っ歯)>
まず『上顎前突』のケースにおけるゴムの使用例についてご紹介します。『上顎前突』とは上顎が下顎より異常に発達していることにより、上の前歯が下の前歯より顕著に前に出ているケースです。一般的には「出っ歯」と呼ばれています。

そのほかにも、上顎のすべての歯が比較的大きい傾向にあるため、顎のスペースが足りずに前歯が前方に押し出されてしまうケース。さらに、悪癖による上顎の骨の変形により上の前歯が傾き出っ歯になってしまっているケースといった『上顎前突』もあります。

どちらも共通する改善点は、前に飛び出た前歯を後ろに下げることにあります。よってこの場合におけるゴムの掛け方は、矯正の対象である前歯、つまり1番から3番を後ろに下げるため、上顎の左右3番の歯にそれぞれゴムを掛けます。さらにそのゴムを下顎の左右にある6番、もしくは7番に引っ掛けます。これにより前歯が後ろに引っ張られ、さらに下顎も引っ張られ前に押し出されることになるため『上顎前突』が改善されていくことになります。

<下顎前突(受け口)>
次に『下顎前突』のケースにおけるゴムの使用例についてご紹介します。『下顎前突』とは下顎が上顎より異常に発達しているケースを指します。一般的に「受け口」と呼ばれているケースです。また悪癖により下顎の骨の変形が起こり、下の前歯が傾いて受け口になってしまっているケースもあります。

この場合はわかりやすく『上顎前突』とは逆のゴムの掛け方をすることになります。よって、下顎の左右の3番と、上顎の左右の6番もしくは7番にゴムを掛けることにより『下顎前突』が改善されていくことになります。

<開咬(オープンバイト)>
次は『開咬』のケースにおけるゴムの使用例についてご紹介します。『開咬』とは上下の前歯を中心に歯が噛み合っていないケースを指します。『開咬』の原因はそのほとんどが顎の骨の変形によるものですが、上下の前歯が上下顎前突のように出っ歯になってしまっているために『開咬』になっている場合もあります。

よってこのケースでは開いてしまった上下の前歯を内側に戻すために上下の前歯にゴムをかけることになります。そのためゴムの掛け方としては一番シンプルでとても簡単な方法であると言えます。

<正中線のずれ>
最後に『正中線のずれ』におけるゴムの使用例についてご紹介します。『正中線のずれ』とは、前歯の中心がずれてしまっている状態を指します。つまり顎が左右のどちらかにずれてしまっていることです。この場合、左右に動かすことができる下顎を矯正することになるため、顎を戻したい方向へ引っ張る矯正を行います。この時、ゴムを掛ける歯は前歯が中心になりますが、場合により4番から7番までの奥歯にゴムを掛けて矯正をすることもあります。

この場合における矯正は、個人のケースや矯正歯科医の治療方法によりやり方が少しずつ変わるため、一概に同じ方法が取られるとは限らないことが特徴です。

日々の継続が重要
日々の継続が重要

顎間ゴムを利用する治療は毎日のゴムの交換が欠かせません。そのため、ついゴムの交換が疎かになってしまうこともあるかと思います。しかし、毎日の継続により矯正が効率よく行われるだけでなく、顎間ゴムを使用しなくては改善できない症例もあるため顎間ゴムの使用には重要な理由があることが多いのです。そのことを理解し、自身のためにゴムの交換をしっかり行うようにしましょう。

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