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矯正歯科
2017.04.28

歯の治療後の詰め物やかぶせ物による噛み合わせの違和感|我慢することによる歯への影響とは

はじめに

虫歯の治療により作ることが多い「被せ物」や「詰め物」。ちなみに歯科診療では一般的な「被せ物」を「クラウン(冠)」、「詰め物」を「インレー(もしくはアンレー)」と呼ばれています。そのほかにも作り方によりさまざまな呼び方に変わる被せ物および詰め物ですが、ひとつひとつを呼び分けると非常に多種に渡ってしまいます。そのためこれらを総称して「技工物」と呼ぶことにします。

「技工物」は虫歯の大きさによって作られるタイプが変わっていくものですが、すべての「技工物」には必ず共通している重要なポイントがあります。それは「噛み合わせ」です。

今回はあまり気に留められていないようで、実はとても大切なことである「技工物」の「噛み合わせ」についてご紹介いたします。

技工物を作るポイント

患者の歯につける被せ物や詰め物を作ることがおもな役目である歯科技工士は、「技工物」を作る際に必ず2つのポイントに留意しています。そうしなくてはピッタリと歯に合った「技工物」を作れないためです。よってまずはそのポイントについてご説明します。

<コンタクト>
まずは「コンタクト」についてご説明します。「コンタクト」とは歯と歯の接触の強さを意味しています。歯は何気なく並んでいるようですが、実際は隣り合う歯とある程度接触しているものであり、被せ物を作る際この接触の強さを意識しなくてはいけません。そのため「コンタクト」を意識していない被せ物を作ると、歯につけようとしてもうまく入らないというトラブルが起きることがあります。

さらに歯と歯の間の間隔はミリメートルからマイクロメートル単位の世界でもあります。そのためほんの少しの変化により、患者は歯と歯の間がきつく感じたりゆるく感じたりします。患者一人ひとりの食生活や噛む力などによっては、被せ物を入れたことにより食べ物が挟まりやすくなったり、噛むと歯が痛むようになることもあります。

このような事態を避けるために、被せ物の「コンタクト」は非常に綿密な調整が必要になります。しかし歯のごく一部に小さな詰め物を入れるのみである「インレー」の場合は、歯につめたとしても「コンタクト」に影響することはありません。そのため「インレー」においてのみ「コンタクト」を意識することはなく、「インレー」よりもさらに大きな「アンレー」や「クラウン」などにおいて意識する必要があります。

<バイト(噛み合わせ)>
次に「バイト」についてご説明します。「バイト」とは直訳すると「噛む」という意味になりますが、歯科診療では「咬合(噛み合わせ)」を意味しています。つまり上下の歯が噛み合った際に接触している部分を指しており、またの名を「咬合面」とも呼びます。

さらにわかりやすくすると、大きく口を開けると真っ先に下の歯の奥歯などが見えるかと思います。その時見えている部分が「咬合面」です。この「咬合面」は不思議なことに、必ず上下の歯がピタリと噛み合うように絶妙な凹凸をなしています。またその凹凸の形もある程度は標準的に決まっているものですが、非常に良く見比べると人によって僅かながらに個性があります。

さらに、その僅かな個性がとても大きな違いでもあります。しかもその違いとは、先程の「コンタクト」と同様にマイクロ単位によるものです。そのため、たとえば二人の患者の上下の歯の型を取り、模型を作ったとします。その二人の模型をシャッフルし、上下の歯を噛み合わせようとすると、ある程度は重なってもしっくりと噛み合うことはありません。

ここに一人ひとりの「歯の個性」が表れます。そのため「バイト」を意識していない被せ物を作った場合、上下の歯を噛み合わせた際に必ず何らかの違和感が表れてしまいます。

この「咬合面」は奥歯が一番大きく、前歯に行くほど歯が小さくなっていき、それに伴い「咬合面」も狭くなっていきます。そのため「咬合面」について重要視されているのはもっとも大きな歯である奥歯であり、そのほかの小臼歯や前歯などはあまり「咬合面」を重要視しません。

しかし、奥歯は上下の歯を噛み合わせた際に強く歯が接触する傾向にあるだけであり、他の歯もある程度の力でしっかり接触しています。そのため奥歯と同様に他の歯の「バイト」にも配慮しなくては、すべての歯が自然と噛み合わさる被せ物を作ることはできません。このことはすべての「技工物」において共通することです。

噛み合わせの影響
噛み合わせの影響

「技工物」における「コンタクト」と「バイト」の重要性についてご説明いたしました。では、もし歯科医院で新たに作った被せ物の「噛み合わせ」がしっかり合っていなかった場合、はたしてどうすればよいのでしょうか。

先程のご説明で「バイト」はほんの少しの違いが大きな違いにつながるように、少し合っていないだけでも大きな影響が出てしまいます。ここでは「噛み合わせ」が合っていない被せ物を、我慢して使い続けた場合に起こりえることについてご紹介します。

<歯周病の進行>
「噛み合わせ」が合っていない被せ物を我慢して使い続けると、歯が重度の「歯周病」になるおそれがあります。しかし被せ物の「噛み合わせ」と、感染症である「歯周病」が、いったいどのように関係しているのかと思われる方は多いかと思われます。このことには「噛み合わせ」が合っていない被せ物をつけていることと、その歯がある程度の「歯周病」にかかっていることが前提にあります。

「歯周病」は軽度である場合、普段の歯みがきと健康の維持により症状の進行を抑えることができます。ところがある「条件」により症状が急激に進行することがあるのです。それは「噛む力」です。「歯周病」になっている歯に必要以上の強い力がかかり続けると、その歯を支えている歯槽骨(歯を支えている顎の骨)に負担がかかり、病状が進んでしまうのです。そのため歯ぎしりや食いしばりといった歯に負担がかかる悪癖を行っている患者の場合、通常の歯周病患者よりも比較的進行が早いことがわかっています。

それと同じく「噛み合わせ」が合っていない被せ物を使い続けることにより、その歯に強い負担がかかり「歯周病」が進行してしまうことがあるのです。

<顎関節症、頭痛>
「噛み合わせ」が合っていない被せ物を我慢して使い続けると、「顎関節症」になるおそれがあります。「顎関節症」の原因のひとつに「噛み合わせの異常」があるように、1本や2本の被せ物による「噛み合わせ」の悪さも「顎関節症」を引き起こす原因となることがあります。また「噛み合わせ」が合っていない状態の時は顔の筋肉が異常に緊張してしまいます。そのため顔の筋肉の緊張による「頭痛」の症状が出ることもあります。

我慢は禁物
我慢は禁物

作った被せ物に感じる違和感がほんの少しでも、我慢して使い続けることにはあまりメリットはありません。また被せ物は作る場所によって精密さが異なります。噛み合わせをとても重要視している歯科医院であれば、少しだけの違和感にも細心の注意を働きかけ丁寧な調整を行ってくれます。

医師に噛み合わせの違和感を訴えづらいと思われていた方も、これを機に相談されてみてはいかがでしょう。

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