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矯正歯科
2017.07.3

コルチコトミーによる矯正の術後の痛みと親知らず抜歯の痛みの違い

はじめに

意図的に歯を動かしやすくすることで矯正の治療期間を短縮する方法である「コルチコトミー」。

治療のケースによっては本来の治療期間の半分近くを短縮することも可能になる方法ですが、これに積極的に取り組む人はあまり多くはありません。

その背景には治療に対する強い不安や心配などがあるようです。特に多くの方が気になっているのが「コルチコトミー」による「術後の痛み」であるとのこと。

また「コルチコトミー」をご存じない方のために、今回は「コルチコトミー」について詳しくご紹介するとともに、「コルチコトミー」の痛みがどれくらいのものなのかについて調べてみたいと思います。

コルチコトミーについて

まず「コルチコトミー」という治療方法についてご紹介します。「コルチコトミー」とは別の読み方で「促進矯正法」とも言います。

歯の移動がスムーズに行われるようにするための外科治療であり、治療期間を短縮させることが可能になります。

その方法は単純に顎の骨にスジや切れ目を入れることでわざと骨の一部を傷つけ、その治癒による代謝を利用して歯の移動を早めるというものです。

そのため治療の過程で歯ぐきを切って剥がすことにより顎の骨を露出させるのです。歯周外科治療である「フラップオペ」と似ていると考えていただいてよいでしょう。

またケースによって顎の骨が少ない場合は人工骨を足す治療も行い、骨の硬い部分である「皮質骨」の一部を除去することもあります。

このように話を聞くだけでも強い痛みをイメージしてしまうような治療方法であるために、痛みを避けて長い治療期間をかけた治療方法を選ぶ方が多いようです。

コルチコトミーのメリットについて
コルチコトミーのメリットについて

「コルチコトミー」はただ治療期間を短くできるというメリットがあるだけではありません。

通常の矯正治療であれば手を加えることができない顎の骨の外科治療を行うことで、ほかにもさまざまなメリットが受けられるのです。ここでは「コルチコトミー」による矯正治療のメリットについてご紹介します。

■抜歯が不要になる
「コルチコトミー」は言うなれば「歯」だけでなく「骨」も含めた矯正をすることができる治療方法です。

つまり通常の矯正であれば、本来「歯」の移動だけしかすることができません。「コルチコトミー」の場合は歯の骨(歯周組織)をわざと傷つけることで、骨の自然治癒力を利用します。

傷ついた組織は自然と治ろうとする力が働くため、それにより外科治療で傷つけた範囲の骨は大きく変化します。

それを利用すれば「歯」のみだけでなく「骨」ごと移動をすることも可能になるのです。それが今までは抜歯をしなくては得られなかった顎のスペースを作ることも可能にしているのです。

この方法は矯正のためにと歯を数本失わなくてはいけないことに抵抗感を覚える方に最適と言えます。

■歯周組織と矯正との相性を改善
歯を支えている部分の骨を「歯周組織」と呼びますが、「コルチコトミー」で治療を施すこの範囲は歯周病に感染して失われてしまうことが多い部分です。

歯周病に感染した骨は体にとって異物であるため、組織を溶かして体の外に排出しようとするため少しずつ量が減っていきます。

また矯正治療は歯周組織に負担をかけてしまうため、歯周病にかかっている人とは相性の悪い治療でもありました。矯正治療の影響により歯周組織が失われるケースが多かったのはそのためでもあります。

しかしそれらの問題を改善できるのが「コルチコトミー」です。歯周病に感染した骨を含め、「コルチコトミー」では歯周組織を除去することにより骨の自然治癒力を働かせ、新たな骨を作り出します。

それにより本来は歯周病にかかると失われるだけであった歯の骨を、自然治癒力のみを利用して新たに作ることを可能にしているのです。これは骨折による回復と同じ現象を利用したものです。

また骨の回復とともに骨は移動をするため、矯正治療により歯周組織にかかっていた負担は一気に軽減されます。

それにより歯周組織が失われるのを避けることも可能になるのです。このことは矯正治療による歯の保存を目的としていることに対してとても大きなメリットと言えるのです。

親知らずの抜歯とコルチコトミーの比較

「コルチコトミー」を敬遠してしまう最たる理由に、歯ぐきを切って剥がし、骨を傷つけるという行為に強い痛みを伴うというイメージがつきまとうためであるようです。

しかし実際に強い痛みが伴うのかどうかは治療を体験してみた人にしかわかりませんし、どれくらいの痛みがあるのかを具体的に想像することは難しいとも言えました。

そこで行われたのが、外科治療のなかでも術後に強い痛みが伴うことが多いとされている「親知らずの抜歯」の痛みと「コルチコトミー」の痛みの比較です。

それによれば、ただ歯ぐきを切って剥がし骨の一部を傷つける「コルチコトミー」よりも、親知らずの抜歯した時の方が痛かったという声もあるそう。

たしかに親知らずのある場所は麻酔が一番効きにくい場所でもあり、歯を抜く際に骨をたくさん削らなくてはいけないこともあります。それによる術後の痛みや腫れがどれほどのものかはある程度想像することができます。

対して「コルチコトミー」の場合は麻酔が効きやすい前歯を中心に行われ、歯ぐきを大きく剥がすことはしても骨をたくさん削ることはありません。

歯ぐきの治癒は骨と比べると圧倒的に早く、縫合をしてから一週間から二週間程度で傷はほぼ回復します。

ただし、傷口が治るまでのあいだ歯磨きにて歯ぐきを刺激してしまわないように注意し、口内炎にも注意しなくてはいけません。

しかしそれらと比較しても「コルチコトミー」は親知らずの抜歯よりも明らかに負担が少ない治療であることが言えます。

コルチコトミーの注意点
コルチコトミーの注意点

「コルチコトミー」は誰にでも治療が可能となるわけではありません。治療の対象となるのは骨の成熟が完了した成人のみなのです。

また、歯と歯槽骨と歯ぐきの状態や体の健康状態など、さまざまな条件が良い方向にそろわなくては治療が難しくなります。

また単に治療期間を短くしたいという目的にはそぐわない場合もあります。「コルチコトミー」のメリットのひとつが治療期間の短縮であるものの、大きな目的は歯並びを理想の状態に矯正することです。

そのため治療期間の短縮をメインにしてしまうと、理想とする状態よりも荒い仕上がりになってしまうおそれがあるのです。

あくまで「コルチコトミー」は医師が理想とする歯並びに至るまでの治療期間が通常より短くなることがあるものの、実際は治療が完了するまでわからないと考えるのが無難です。

マイナスのイメージを払拭しよう

「コルチコトミー」の治療を扱っている歯科医院のホームページなどを見ると、多くのところが治療の概要のみを説明し、痛みに対するフォローを表記していません。

これも痛みが伴うというイメージを植えつけてしまっている要因のひとつなのかもしれません。

たしかに術後の痛みはある程度つきまといますが、痛み止めでコントロールすることが可能であるほか、数日で痛みは落ちつくことがほとんどです。

また親知らずの抜歯と比べれば痛みも少ないという意見もあります。これを参考に、「コルチコトミー」に対する痛みのマイナスイメージを払拭してみてはいかがでしょうか。

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