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矯正歯科
2017.07.6

歯並びと骨盤の関係|姿勢が悪いと歯並びが乱れるメカニズム

はじめに

歯並びの悪さは口内環境だけではなく体全体に悪影響を及ぼすことがあります。運動能力の低下にまでつながることから、無意識にやってしまっている悪癖を改善し、舌癖のトレーニングや矯正治療などを積極的に行うことは非常に大事です。最近では、歯並びが悪くなってしまう原因のなかには「悪癖」や「舌や口の周りの筋肉の発達不足」のほかに、「姿勢の悪さ」もあることがわかってきました。今回は歯並びに影響する姿勢についてご紹介します。

姿勢と骨盤

みなさんは姿勢について意識したことがあるでしょうか。「歩いている時」「座っている時」「寝ている時」など、我々は常に体が何らかの姿勢を取っています。その姿勢が自分の体にとって「良い姿勢」か「悪い姿勢」かまではあまり考えることがないと思います。

「悪い姿勢」と聞けばまず連想するのが猫背です。見た目や印象もあまり良くない猫背ですが、まさに体にとっても良くない姿勢のひとつです。体の重心は頭にありますから、猫背により頭が通常より前に傾いた状態になるとそれに合わせて全身がバランスを取ろうとします。それにより自然と姿勢が悪くなるのです。

姿勢と言うと、首から背中にかけての上半身のみを意識しがちですが、実はほかにも姿勢の状態を左右する部分があるのです。それが「骨盤」です。体の重心がある頭は背骨とつながっており、その背骨は骨盤につながっています。そのため骨盤がゆがむとその影響は背骨を通じて顎に伝わります。その結果、骨盤のゆがみが歯並びや噛み合わせを悪くしてしまうのです。

姿勢の種類
姿勢の種類

姿勢には猫背のようにいくつかの種類があります。その種類によって歯並びや噛み合わせの状態が変わるため、姿勢がいかに顎と深くつながっているかがわかります。ここではさまざまな姿勢の状態についてご紹介します。

■猫背
猫背は出っ歯の原因となる姿勢です。これは普段多くの方が無意識に取ってしまう悪い姿勢の代表格です。というのも、人の体の構造や日常生活には、つい猫背になってしまう要素がたくさんあるのです。

この世界に生きているあらゆる生き物と比べると、人は非常に頭の部分が発達した生き物です。その理由は脳にあります。情緒や理性といった人間らしい思考を司る前頭葉が非常に発達した人間は、ちょうど前頭葉がある額の部分が重く感じます。よって頭が前に傾いてしまわないように首や肩の筋肉を使い、頭を持ち上げているのです。

そのうえ我々は日常生活においてパソコンやスマートフォンを使用しており、無意識のうちに頭が前に傾いてしまうことが非常に多いです。そのため現代の人の半分以上が猫背になってしまっていると言っても過言ではありません。またその影響により現代人の多くはストレートネックになってしまっているとも言います。

■ストレートネック
猫背の方はストレートネックになりがちです。首から骨盤にかけて長くつながっている背骨は、正常な場合まっすぐではなくS字状に少し湾曲していることはご存知だと思います。そのため首の骨は前方に少し曲がっている状態なのですが、これがまっすぐになってしまっている状態を「ストレートネック」と言います。首の骨がまっすぐになる原因は、単純に頭を前に傾けていることにあります。日常的にあらゆる場面でスマートフォンを使用している現代ではストレートネックが急増していると言われています。噛み合わせはもちろん、全身の健康にさまざまな影響を及ぼすため、注意が必要です。

■腰突き出し姿勢
日常生活であまり耳にしない「腰突き出し姿勢」ですが、これは骨盤が前に傾いているために、体を横から見るとおなかの部分が出っ張っているように見える姿勢のことです。猫背やストレートネックの原因となることもあるため注意が必要な姿勢です。

■胸突き出し姿勢
「胸突き出し姿勢」は文字通り、胸を前に突き出したわかりやすい姿勢です。一見良い姿勢に見えるのですが、実は体に大きな負担をかけている姿勢です。昔から姿勢を正しくするように言われると胸を張ることが普通です。しかしこの時、本来なら少し湾曲している背骨を無理やりまっすぐにしようとするため、背中が反り、その状態を維持しようと筋肉が緊張し、それにより呼吸が苦しくなります。これを長時間続けることにより背骨が変形し、背中から腰を痛める原因にもなります。ストレートネックの方が姿勢を正そうとするとこの姿勢になることが多いと言われています。

■うつ伏せ、横向きで寝ている人も要注意
普段寝ている時にうつ伏せで寝ている方や左右のどちらかに横向きで寝ている方も注意が必要です。うつ伏せや横向きに寝ることは、いずれも顔の左右どちらかを枕に押し付けた状態になります。これにより押し付けられた側の顎が圧迫され、歯並びが歪んでしまう原因となることがあります。人の骨格は仰向けで寝るように作られているため、うつ伏せや横向きが癖になってしまうと歯並びだけでなく背骨の状態や呼吸の仕方にも影響します。

位置が高い枕を使っている方も注意が必要です。寝ている状態でも頭を前に傾けてしまうため、首や肩に負担がかかるだけでなく気道の閉塞を招くおそれもあります。

姿勢のセルフチェック

普段から姿勢が悪いかどうかはセルフチェックで確かめることができます。実は全身の筋肉は、悪い姿勢でいる時の方が楽に感じることが多いのです。正しい姿勢を取ろうとすると、どうしても筋肉を使うためです。筋肉の力を借りずに取ることができる姿勢は体力の消耗が少ないため、我々は楽でいようとすることにより筋肉を使わず悪い姿勢になってしまいがちです。それは体のどこかに痛みを感じている時も同様です。肩がこっている時、背中や腰の痛みなどを感じている時は無意識に痛みを感じない姿勢を作ろうとします。

普段の自分の姿勢を見直してどういった格好が自分にとって楽なのかをヒントに、骨盤のゆがみや姿勢の悪さを自覚することができるのです。また逆に自分にとって苦しく感じる姿勢は、それが本来の正しい姿勢であることが多いとされています。このようにセルフチェックをすることで体を作り変えるきっかけを作ってみてはいかがでしょうか。

姿勢は歯並びと切り離せない
姿勢は歯並びと切り離せない

もし姿勢を直さずに歯並びのみを矯正した場合、治療が完了したあとにまた歯並びが悪くなってしまうケースがあると言います。また逆に矯正をせずに骨盤や背骨を矯正した結果、噛み合わせが良くなったというケースもあります。このように姿勢と「歯」は切っても切り離せない関係があり、歯並びと噛み合わせをしっかり矯正するためには姿勢の改善にも着目しなくてはいけないということなのです。

姿勢は全身の健康状態にも影響します。歯並びだけでなく体の健康のためにも姿勢の改善を意識されてみてはいかがでしょうか。

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