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矯正歯科
2017.09.28

口ゴボは歯列矯正で治る?

はじめに

最近SNSなどでよく「口ゴボ」という文字を目にしませんか。これは「クチゴボ」と呼び、上下の歯が前へ出ているため、横から見ると唇が突き出している口元のことを言います。この口ゴボは歯並びが原因と言われていますが、歯列矯正で治すことができるのでしょうか。


専門用語は「上下顎前突」「両顎前突」
専門用語は「上下顎前突」「両顎前突」

口ゴボは、専門的には「上下顎前突」または「両顎前突」と言い、日本人に良く見られる症状です。横から見たときの美しさの基準であるEラインから考えると、上または上下の歯が出ているために唇が突き出てしまいます。

Eラインの定義は、鼻先から上下の唇、そして顎を結んだ線が一直線であることが望ましいとされています。しかし鼻が高い欧米人とは骨格が異なり、日本人は鼻がやや低い傾向にあります。そこに上下の前歯が出てしまうことで、理想のEラインが崩れてしまうのです。このため、口元や横顔にコンプレックスを抱く方が多く見受けられます。

口ゴボ(上下顎前突)の特徴

上下顎前突の特徴として、奥歯の噛み合わせや全体的な歯並びはほぼ問題ないものの、上下の前歯が前へ強く傾いており、一見すると出っ歯と似ています。出っ歯は前歯の一本だけ前へ出ていることや、ビーバーのように2本とも前へ出て唇を閉じていても前歯が見えてしまうなどの特徴があります。

それに対し上下顎前突は2種類あります。ひとつは、顎の位置はそのままで、前歯だけが突出しているケースです。横から見ると、顎は出ていないものの唇だけが突出して見えます。そして唇を閉じると、無理に口を閉じることにより下唇の下に梅干しのシワのようなものができることも特徴です。そして横から見たときに鳥の口ばしのように見えることから、「バードフェイス」と言われることもあります。

もうひとつは、上下の前歯とともに下の顎も突出して、横顔が三日月のようにしゃくれてしまうケースです。どちらも口元が突き出しているため鼻が低く見え、Eラインの基準と離れてしまいます。

口ゴボになる原因とは
口ゴボになる原因とは

口ゴボになる原因として、主に骨格が関わっているタイプと、日常的な癖による歯への影響が関わっているタイプが考えられます。

■骨格が原因のもの
顎の骨の骨格自体に原因がある場合、上または上下の顎の骨が大きいため、前へ突出していることがまず原因となります。これは顎の骨そのものが大きく、遺伝的要素が強いと考えられます。

■歯が原因のもの
もうひとつは歯に原因があり、こちらは遺伝的な要素の他に、舌の悪癖などによる後天的要素で起こる場合があります。その悪癖の代表的なものが、口で呼吸を行う口呼吸です。前歯が出ていることで口が閉じにくく、つい口がポカンと開いてしまうために鼻で呼吸を行わず、つい口で呼吸を行ってしまいます。そして口呼吸を行うことで前歯が出やすくなるとも言われています。

その理由は、普段の舌の位置が鼻呼吸と口呼吸では異なるためです。通常、舌は上顎に付いており、舌の力によって上顎が広げられます。しかし口呼吸の場合、空気の通り道を確保するために、舌の位置は自然と下の歯の裏側になってしまいます。そのため上顎が広がらず、歯が前へと押し出されるため結果的に出っ歯になりやすくなります。口呼吸のデメリットは他にもたくさんありますが、このように歯並びに関しても悪い影響を与えてしまうのです。

その他にも前歯が出てしまう原因として、舌で歯を押してしまう癖や頬杖などがあります。舌の力は案外強く、気付かないうちに癖として歯を押してしまうことで、歯が前へ出てしまうことになります。頬杖は、日常的に行うことで顎の骨の発達を妨げてしまうことがあり、歯並びが乱れる原因になります。

口ゴボを治す方法とは

口ゴボを治すために考えられる治療法として、歯列矯正と外科治療があります。それぞれどのような症例に対して効果的なのでしょうか。

■歯性上下顎前突の場合は、矯正治療で治すことが可能
前歯のみが突出しており、軽度な上下顎前突の場合は、歯列矯正による治療が可能です。傾斜した前歯を治すために、角度を戻して後方に引っ込める治療を行います。ほとんどの場合、上下4本の小臼歯を抜歯して、前歯を正しい位置に戻すためのスペースを作ります。

抜歯をしたのち、歯の表面にブラケットとワイヤーを装着し、少しずつ前歯を内側へ引っ込める治療を始めます。ブラケットによる矯正治療はあらゆる歯並びの乱れや不正咬合に有効ですが、すぐに効果は現れず、長い時間をかけて前歯を内側へ戻していきます。また個人差があり、比較的早く歯が動く方もあれば、ゆっくりとしたペースで歯が移動する方もいます。

金属素材のブラケットを装着することが一般的ですが、口を開けたときに非常に目立つため、気になる方は透明なセラミックのブラケット矯正、あるいは裏側に矯正装置を付けるリンガル矯正を検討してもいいかもしれません。

マウスピース矯正は、基本的に抜歯を伴わない歯並びに対して行われることが多いようです。口ゴボの治療として、上下4本の小臼歯を抜歯し、前歯がきちんと並ぶスペースを作る必要があることから、マウスピース矯正による口ゴボを治すことは不向きかもしれません。マウスピースで前歯を正しい位置に戻すことは不可能ではありませんが、確実に結果を出すのはやはりブラケット矯正による治療のほうが適していると思われます。

■骨格が原因の上下顎前突は、外科治療が必要
一方、前歯の突出具合が著しい場合や顎の骨自体が前方へ飛び出している場合は歯列矯正のみで治すことは困難です。この場合、入院を伴う外科手術が必要となります。上下左右の歯を抜歯し、さらにその部分の骨を切除して、突出している前歯を内側へ引っ込める処置を行います。顎の骨を削る大がかりな処置を行うため、入院が必要になる場合が多いようです。なお、下顎が突出している症例では下顎の骨を削って下顎全体を動かす処置が必要です。

口ゴボで悩んでいる場合は、まず歯科医院に相談を

口ゴボは容姿に関わることから、コンプレックスに感じる方は多いでしょう。見た目の歯並びは悪くないのにも関わらず、口元が突出することで印象が変わってしまいます。特に日本人は骨格が欧米人と異なることから、どうしても理想のEラインに遠くなり、その根本的な原因として口ゴボが挙げられます。前歯の突出具合により、歯列矯正で治すことも可能なため、口元でお悩みの方は勇気を出して歯科医院に相談してみてはいかがでしょうか。

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