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矯正歯科
2017.07.27

短期矯正は実績のある歯科医院で!安易なセラミック矯正の危険性

はじめに

矯正歯科治療といえば、マルチブラケット法やその改良型であるデーモンシステムのような歯の表面にブラケットとよばれる金具をはりつけ、その中心付近にある溝に通したワイヤーで全ての歯を結びつけ、歯を動かす方法がイメージされるほど、主流になっています。

マルチブラケット法は、歴史も長く、確実性の高い矯正治療法なのですが、数年かかってしまうこともあるのが難点です。

そこで、どうしても短期で早く歯並びを良く見せたいという希望が強いときに、セラミック矯正という方法を行なう歯科医院があります。セラミック矯正とはどんな方法でしょうか。セラミック矯正についてまとめてみました。

セラミック矯正ってなに?
セラミック矯正ってなに?

セラミック矯正とは、歯に被せものをつけて歯並びをきれいに見せる方法です。マルチブラケット法が歯そのものを動かして歯並びを整えるため、歯が並んでいる列を矯正するという意味で歯列矯正(しれつきょうせい)とよばれます。

セラミック矯正は歯を動かさずに被せものをつけて歯並びをきれいに見せるところが異なります。歯列矯正に対し、こちらは補綴矯正(ほてつきょうせい)といいます。なお、補綴とは、歯に金歯や銀歯を被せたりする治療法のことです。

歯列矯正では、歯を動かして歯の位置そのものを変えて歯並びを整えます。歯を動かすのは非常に時間がかかります。そのために、場合によっては数年かかることも稀ではありません。一方、セラミック矯正では、歯を動かすことはありません。そのために、数ヶ月程度で歯並びが整ったように見せることが出来ます。

セラミック矯正の特徴

セラミック矯正では、歯を動かしません。ですから歯根の位置や向きは変化しません。歯列矯正で時間がかかるのは、歯根を動かすからです。歯根を動かす時、強い力をかけると動かなくなります。弱い力を持続的にかけ続けることが必要です。そのために時間がかかるのです。

セラミック矯正は歯を削って、セラミック製の被せものを被せて歯並びをきれいに見せるようにします。歯ぐきから上の部分だけ、要するに見えているところだけ、被せものできれいにするのです。

セラミック製の被せものですから、歯の色具合や形を自然な歯に極めて似せることが出来ます。1本だけ被せても、歯並びはきれいに見せることは出来ないので、何本もの歯を削って、被せることになります。

さすがに、全部の歯を一度に削って被せることは出来ないのですが、歯を動かさないので、歯列矯正に比べると治療期間は短期で完了することが出来ます。こうして、歯ぐきから上の部分だけですが、歯並びをきれいにみせることが出来るようになります。

セラミック矯正の危険性
セラミック矯正の危険性

セラミック矯正では、歯を動かしません。しかし、歯の並びは被せもののおかげできれいに見えます。一見すると問題はなさそうに思えますが、そこにはどのような危険性が隠れているのでしょうか。

■歯が折れてしまう危険性
歯は、歯ぐきから見えている歯冠と、歯ぐきで隠れて見えない歯根から成り立っています。歯根と歯冠の中心軸は、直線状の1本の軸のようにまっすぐな形をしています。ところが、セラミック矯正で被せものをつけた歯は、歯冠と歯根で中心軸が一致しない場合が大半です。

噛むときに歯にかかる力は、とても強いものです。歯冠と歯根の中心軸が一致していれば、歯冠にかかる力が歯根に無理なく伝わり、周囲の骨で受け止めてくれます。

しかし、歯冠と歯根の中心軸がひらがなのくの字のように曲がっていると、曲がっているところ一点に力がかかってきます。すると、その力に歯が抗しきれず、曲がっているところで歯が折れてしまうことがあるのです。

もし、歯が折れてしまったら、被せがとれてしまうだけでなく、場合によっては抜歯しなければならないこともあります。

■むし歯になる危険性
セラミック矯正では、被せものをつけて歯並びをきれいに見せます。被せものをつけるためには、歯を削らなければなりません。

歯は、エナメル質とよばれる最も外側の部分が、一番強くて硬い構造をしています。実はその硬さは、骨よりも硬く、身体の中では最も硬いといわれています。その硬いエナメル質を削ると、削った部分からむし歯が生じやすくなります。

被せものの内側にむし歯が生じると気づきにくいことがあります。ある日、被せものが外れて、見てみたら内部でむし歯が広範囲に進行していたということもあります。場合によっては、歯を抜かなければならなくなります。

■歯の神経をとる危険性
歯の向きによってはかなり広範囲に歯を削らないと、歯に被せることが出来ないことがあります。健康な歯をたくさん削ると、歯の神経が痛んでくる可能性があります。すると、歯の神経をとらないといけなくなります。

歯の神経の部分には血管も通っています。歯はこの血管を通して、栄養や酸素を受け取っています。歯の神経をとると、同時に血管もとってしまうことになります。そのために、歯は死んだ様な状態になります。むし歯になりやすくなるばかりでなく、もろくなり欠けやすくなってしまいます。

また、身体の免疫力は、血管の中を通って運ばれる免疫細胞が担っています。神経をとった歯の中は、血管がなくなることで、免疫力が作用しない部分になってしまいます。もし、そこで細菌が繁殖しようとしてもそれを防ぐ手だてはありません。そのために、歯根の先に膿の袋を作ってしまうことがあります。

■歯周病の危険性
歯根の向きにあわない被せものを入れると、被せものの縁とその周囲の歯ぐきの形が合わないことがあります。このとき、歯みがきをしても被せものの縁の部分が磨きにくかったり、ものが挟まりやすくなったりします。

この結果、その部分の歯ぐきが炎症を起こし、歯周病になってしまいます。歯ぐきが腫れて来るだけでなく、出血しやすくなったり、口臭をもたらす原因にもなってきます。

また、この状態が進行していきますと、歯を支えている歯槽骨という骨が溶かされてきます。すると、歯槽骨が歯を支えることが難しくなり、最終的には歯がグラグラして抜けてしまうようになります。

まとめ

歯列矯正は年単位の時間がかかるので、数ヶ月程度ですむセラミック矯正はとても魅力的に見えます。特に、仕事が忙しくなかなかそんな長い時間をかけられないような方はなおさらです。

しかし、セラミック矯正は、歯を削って被せる補綴矯正です。歯の軸も考えずに歯ぐきから上の見た目だけを重視して歯並びをきれいにみせます。

これにより、歯が折れてしまうリスクや、むし歯や歯周病になる可能性が高まってきます。場合によっては、歯を抜かなければならない様な危険性に発展することもあります。

時間がないからといって、安易にセラミック矯正にはしるのは危険です。歯列矯正も最近は新しい方法が開発され、たとえばデーモンシステムとよばれるマルチブラケット法の改良法や、コルチコトミーとよばれる歯槽骨の外科手術を併用することで、治療期間をより短期にする方法が開発されています。

歯を失ったら、二度と戻ってはきません。自分にあった最適な矯正歯科治療は何か、主治医の歯科医師によく相談して選ぶようにしましょう。

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