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矯正歯科
2017.08.2

虫歯になった歯は矯正前に治療すべきかどうか

矯正前のその治療、本当に必要?

矯正治療は、一度はじまると最低でも一年以上はかかります。そのあいだは虫歯や歯周病の治療をしてしまうと矯正治療に支障が出るため、あらかじめ問題のある歯は治療をして矯正に集中できるようにします。また同じく矯正治療に必要な場合において抜歯治療も行います。
現在はネットが普及し、矯正治療をはじめる前には何をする必要があるのかを調べることができます。それにより積極的な人は矯正歯科にかかる前にある程度の治療を済ませてしまうこともあるようです。
しかしその治療がはたして本当に正しかったのかどうかは矯正を行う医師にしか判断することはできません。
そこで矯正を考えている方で、これから虫歯や抜歯の治療をしようとしている方々のために、矯正前に行う治療のさまざまなケースについてご紹介したいと思います。

虫歯の治療
虫歯の治療

今は矯正治療のさまざまなケースも歯科医院のホームページに掲載されているため、そこから「虫歯は矯正治療前に治すもの」と理解することができます。
矯正治療において、わずかな虫歯でも残しておくと矯正治療をしているあいだに大きな虫歯になってしまう可能性があるためです。
歯を残すための治療であるのに虫歯で歯を失ってしまうことがあれば本末転倒。
それに虫歯の治療くらいであれば矯正歯科に治療を相談する前にあらかじめ済ませておけば却ってスムーズに治療が進められるかもしれません。そう期待する方々が多いのかもしれませんが、その治療にストップをかけたいと思います。
無論、矯正をはじめる前の虫歯の治療は絶対に必要なものですが、一部の歯によっては虫歯を治す必要がなくなる場合もあるのです。
それは矯正に必要な抜歯を行う場合です。
日本人に多いとされているのが全体的に歯並びがデコボコしてしまっている「叢生」。この「叢生」を矯正する場合、ほとんどのケースであらかじめ抜歯を行い、隙間を作らなくてはいけなくなります。
それにより抜かれることが多いのはおもに大きな奥歯の手前にある2本の「小臼歯」なのですが、患者ひとりひとりのケースによってはそれ以外の歯を抜くこともあります。
いずれにしろ、もし矯正のための抜歯を行うことになった場合、事前に虫歯の治療をした歯を抜くことになれば結果的に虫歯の治療が無駄になってしまいます。
歯並びをきれいにするためには、あえていくつかの歯を失わなくてはいけない場合もあります。それにより虫歯になってしまっている歯を抜くことになれば、わざわざ虫歯を治しておく必要はなくなるのです。まして虫歯の治療により銀歯を詰めた歯を抜くことになってしまえば、非常にもったいないことをしたと思うはずです。

親知らずの抜歯

「親知らず」は残しておいてもほとんどの場合、メリットはありません。
しっかり生えてくることは極めて少なく、曲がって生えてきた場合はきちんと磨くことが難しくなってしまうため、結果、虫歯というトラブルにつながっていきます。
そういったことから、矯正をする場合でもそうでない場合でも、「親知らず」は抜くことになってしまうことが自然なことと言えます。
しかし、もし矯正をはじめる直前まで親知らずが虫歯にもならずに残っていた場合、急いでそれを抜歯してしまおうとする必要はありません。
日常生活では不要になることが多い「親知らず」ですが、矯正治療の場合では必要な歯になることもあるのです。
ここでは「親知らず」が必要になる治療のケースをご紹介します。

■大臼歯の移動
歯を移動させるためには、それなりの安定した力で歯を引っ張る必要があります。
そのためには引っ張る力に負けない、力強く地面に刺さる「大きな木」のような支えが必要になります。それが「大臼歯」という2本の大きな奥歯です。
「大臼歯」を除くほとんどの歯は、「大臼歯」があることで矯正装置の牽引の力を使い、歯を移動させることができています。無論、「大臼歯」がない場合でも移動は可能ですが、踏ん張りの効く支えがない状態で物を引っ張るにはパワーが不足してしまいます。
それと同じことで、「大臼歯」があるのとないのとでは歯の移動にかかる時間は大きく変わってきます。
では逆に、「大臼歯」を移動させる場合はどうでしょう。
歯並びの矯正の多くは、歯を全体的に後ろに移動させるパターンになります。なかでも歯並びが悪くなりやすいのが小臼歯や前歯。そのため抜歯しても影響の少ない小臼歯を左右1本ずつ抜歯することでスペースを作り、前歯を後ろに引っ張り歯並びを整えま^す。
こういったケースが非常に多いのですが、なかには一番奥にある「大臼歯」を後ろに引っ張ることでスペースを作る場合もあります。つまり矯正の支えとすることが多い「大きな木」となる歯までもを移動させるということです。
考えただけで骨が折れそうなことですが、決してできないことではありません。そこで活躍するのが「親知らず」です。「親知らず」を支えとすることができれば、「大臼歯」を含めたすべての歯を引っ張ることも可能になります。
そのためには「親知らず」と「大臼歯」との間に相応のスペースがあることが条件となりますが、「大臼歯」を移動させたい時に「親知らず」があるのは大きいことです。

■大臼歯を失った場合
もし「大臼歯」が大きな虫歯や歯周病になり失ってしまった場合でも、「親知らず」が大活躍することがあります。つまり、「親知らず」を失った「大臼歯」の代わりにするのです。そのために「親知らず」を移動させる矯正治療も実際に行われていますし、万が一に備えてあえて「親氏らず」を抜かずに保険を作ることもひとつの手段です。
このように「親知らず」が意外な活躍をすることもあり、必ずしも矯正のために「親知らず」を抜歯しなくてはいけないとは限らないのです。

抜歯に依存しない矯正治療
抜歯に依存しない矯正治療

親知らずの抜歯はどんな歯科医師にでもできる治療ではありません。抜歯をするには非常に危険な場所に生えていることが多い親知らずの治療は、口腔外科の分野になるためです。
抜歯の影響により何らかの障害が残ってしまわないよう、確かな技術を持つ医師による抜歯が望ましく、万が一の場合に備えてある環境の方が安心して治療が受けられます。
無論、そういった条件のもとで抜歯をすることは限られてしまいますし、もし抜歯をしなくてもいいのであれば、わざわざリスクのあることをする必要はありません。
またそのほかの歯も、もし残せるのであれば残してほしいと思うのが自然なことです。歯並びをきれいにするために必要なこととはいえ、歯を失って矯正をすることには疑問を感じる人も一部ではいることでしょう。

必要な治療と不要な治療

矯正においてその治療が必要かどうかは、実際に矯正を行う医師にしかわかりません。そのためよかれと虫歯や抜歯を急いで行うことは逆に矯正治療に影響してしまう可能性もあるのです。そのため、もしこれから矯正をしようと考えられている方は、何かをはじめる前にまず矯正歯科で相談をするようにしましょう。

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