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矯正歯科
2017.08.5

八重歯をそのままにすることで起こる口腔内トラブルとは?矯正治療を実施すべき理由

はじめに

八重歯と聞くと、「可愛らしい」「チャーミング」といったプラスのイメージが思い浮かぶ方が多いと思います。しかしこの八重歯は、実は口腔内に大きな影響を与え、様々なトラブルを引き起こします。今回は八重歯が与える影響と、矯正すべき理由をお伝えします。

海外では、八重歯はあまりよくないとされている
海外では、八重歯はあまりよくないとされている

「八重歯は可愛い」と思われているのは、実は日本国内だけです。海外、特に西洋では「八重歯=尖った歯すなわち吸血鬼」という意味で捉えられ、あまりよくないとされています。アジアにおいても、韓国のアイドルや女優は歯列の整った美しい歯であり、八重歯の人はほとんどいません。また中国では「幸福が逃げる」という言い伝えがあり、やはり歓迎されていません。チャーミングで愛くるしいといった良いイメージは、日本だけのようです。

どうして八重歯になってしまうのか

八重歯は尖っている歯というわけではありません。八重歯とは、重なって生えている歯のことを意味します。特に犬歯に八重歯が多くみられますが、これは犬歯の生える順番が遅いため、歯がきちんと並ぶスペースが足らないことにより外側へ向いて生えてくるためです。つまり歯並びの乱れによるところが主な原因です。顎の骨が小さいことの他に、遺伝的要素として永久歯が大きいことも歯並びの乱れや、八重歯になってしまう原因となります。

八重歯をそのままにすると、どんなトラブルが起きるのか

では八重歯があることで、口腔内にどんな影響が出てしまうのでしょうか。よくあるトラブルを挙げてみました。

■虫歯や歯肉炎になりやすい
八重歯が存在することで、特に重なった歯が虫歯や歯肉炎になるリスクがあります。これは八重歯の陰に隠れることで、ブラッシングの毛先が非常に届きにくく、フロスも通しにくいため汚れが溜まりやすくなります。落としきれない汚れがプラークとなり、虫歯菌の棲み家となることで、歯と歯の間を中心に虫歯になるケースがよくあります。また八重歯は他の歯に比べて歯ぐきの上の辺りから生えています。唇に隠れがちな八重歯と歯ぐきの境目に汚れが溜まり、歯ぐきが腫れて歯肉炎になりやすくなります。歯肉炎になると歯ぐきが赤く腫れ、歯ブラシの毛先が当たるだけで出血してしまいます。歯肉炎が進行すると、将来的に歯周病になる可能性が高まります。

■唇などの粘膜を傷つけやすくなる
八重歯が飛び出していたり、外向きに生えていることで、唇などの粘膜を傷つけやすくなります。また噛んだところが口内炎になってしまうこともあります。

■口が閉じにくく、口臭の原因になる
八重歯があることで、口が閉じにくくなることから口呼吸となり、口腔内が乾燥しやすくなります。本来なら口腔内は唾液により潤い、雑菌を洗い流してくれます。しかし口が閉じにくく、口腔内が乾くと雑菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因になります。

■知覚過敏になりやすい
犬歯は他の歯にかかる圧力を和らげる役目があります。犬歯が八重歯になってしまうことで歯列が乱れ、他の歯にかかる負担が重くなり、歯ぐきが下がってしまう恐れがあります。歯ぐきが下がることで歯の根が露出し、知覚過敏の症状が出やすくなってしまいます。

八重歯は矯正治療が必要である理由
八重歯は矯正治療が必要である理由

このように八重歯があることで、口腔内に様々な影響が出てしまいます。「八重歯は抜歯するべき」とよく目にしますが、この八重歯は必ず抜歯しなければいけないのでしょうか、それとも矯正治療を行うべきでしょうか。どちらの方法を取るべきかというよりは、「歯列を整えて歯並びを正し、正常な噛み合わせを導くこと」が目的であり、抜歯するかしないかはケースバイケースと言えるかもしれません。しかし健康な歯はできる限り抜かずに矯正治療を行うことが理想です。

■八重歯を抜歯するメリット
八重歯以外の歯並びがほぼ整っている場合、単純に考えると、八重歯を抜歯することで歯並びそのものは整います。このため歯みがきがしやすく、虫歯や歯肉炎などのリスクは減るでしょう。また口も閉じやすくなり、口呼吸が改善されます。このことにより腔内の雑菌の繁殖を抑えることができるため、口臭の改善が期待できます。しかし八重歯を抜歯することで起こるデメリットも存在するため、慎重な判断が必要です。

■八重歯を抜歯せずに矯正治療を行う
犬歯は、歯の中でも最も寿命が長い歯です。この寿命が長い歯を出来る限り抜かずに矯正治療を行うことが主流であり、望ましい治療であると考えられます。また犬歯には、食べ物を奥歯ですり潰す際に、顎の運動を支えて誘導するという大切な役割があります。犬歯を抜歯すると、他の歯には犬歯が持つような働きはあまりありません。そのために犬歯を抜歯することで、他の歯に負担がかかってしまい歯の寿命に多少なりとも影響が出ることが考えられます。こういったことからできる限り八重歯を抜歯せずに矯正治療することが、将来的にベターな選択だと考えられます。やむを得ず抜歯する場合、どちらかといえば小臼歯を抜歯して犬歯を正しい位置に導く方が、噛み合わせを整えやすいでしょう。最終的に歯列がきちんと整い、噛み合わせが正しく行われるような矯正治療を行います。
抜歯せずに矯正治療を行う場合、インビザラインなどのマウスピース矯正よりも、ブラケットとワイヤーによる矯正治療が、より確実に歯並びを整えてくれるでしょう。マウスピース矯正は、歯を大きく動かすことができないため、軽度の八重歯治療の場合のみ行われることが多いようです。全体的に歯並びがデコボコとしており、乱食い歯の状態で噛み合わせに大きなズレが生じているケースなどは、やはりブラケットによる矯正治療がいちばんです。また矯正装置が目立ち、見た目が気になる場合、歯の裏側に矯正治療を装着して矯正治療を行うリンガル矯正でも対応が可能です。

八重歯はそのままにせず、きちんと矯正治療を行う

可愛いと思われている八重歯ですが、この八重歯があることで、様々な影響が起きることをお伝えしました。八重歯を治すためには矯正治療が必要ですが、よく「矯正=健康な歯を抜歯しなければいけない」と思われがちです。しかし絶対に抜歯が必要というわけではありません。全体の噛み合わせを考えながら、できる限り抜歯せずに矯正治療を行い、歯並びを改善していくことも十分可能です。歯と口腔内の健康のためにも、八重歯はきちんと治療しておきましょう。

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