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矯正歯科
2017.08.26

なぜ人間の歯は1度しか生え変わらないの?何度も生え変わる動物との差

はじめに

博物館や映画などで、サメの鋭く尖った歯を見たことがある方も多いでしょう。人間を始め、たくさんいる動物の中でも、脊椎(せきつい)動物と呼ばれる種類の動物は、ほとんどが歯を持っています。しかし歯の数や形、そして生え変わり方などいろいろな特徴をもち、食べ物とも深い関わりがあります。


人間の歯
人間の歯

人間など多くの哺乳類の歯は、1度だけ生え変わり、これを「二生歯性」または「一換歯性」といいます。人間の歯が、乳歯から永久歯へと1度しか生え変わらない理由は、大きく3つあると考えられます。

■性能が良いので長持ちするため
歯の表面が、エナメル質という硬い層で覆われており、簡単に欠けたり折れたりしにくい構造をしています。また、歯と歯槽骨(歯を支える骨)の間には、歯根膜というクッションの役割をする部分があって、噛むことで加わる衝撃から歯を守っています。

■歯の大きさと、顎の大きさのバランスをとるため
乳歯や永久歯は、歯そのものの大きさは、歯が完成した後は変わりません。しかし顎の骨や舌の筋肉は発達し、体も大きく成長するので、釣り合いをとるために、乳歯から永久歯へ生え替わると考えられます。そのため、顎の小さな子供には、それに合ったサイズの乳歯が生え、顎が成長するにつれてそれに合った永久歯が生えるので、バランスをとることができるのです。

■成長に合わせた栄養摂取をするため
生まれたばかりの赤ちゃんの頭の周りの大きさは33㎝で、顎の骨は薄くて小さく、舌は前後にしか動きません。まだ胃腸の消化機能も不十分ですから、母乳などの哺乳によって栄養を摂ります。

成長するにともない小さな乳歯が生え始め、食べ物を噛んだり飲み込んだりするのに大切な役割を果たす舌が、前後・左右に動き、段階に応じた軟らかさの食べ物が食べられるようになります。そして3歳頃までに乳歯は生え揃います。

頭の成長が安定する15歳になると53㎝ほどとなり、顎の骨も大きく成長します。また、全身も成長し必要な食べ物の量が増えています。

その必要に合わせるかのように、永久歯が乳歯と交換しながら順番に生え、また同時期に、成長によって上下左右の乳歯の一番奥にできたスペースに、永久歯が2~3本ずつプラスされ、さらにたくさんの食べ物をかみ砕けるようになります。

最後の永久歯である親知らずが生える時期が、18歳~25歳ですから、体の成長が終わる時期とほぼ重なっており、「食べ物の必要」と「歯の生え方」は、とても関係が深いといえます。

ウサギ

ウサギの歯は全部で28本、上顎と下顎の両方に前歯2本ずつ「切歯」または「門歯」という歯があり、奥には「臼歯」があります。ウサギの歯は、一ヶ月間で上の切歯は8ミリ、下の切歯で10ミリほど伸びると言われています。食べ物をかじることで少しずつ削れ、丁度良い長さを保っています。このような歯を「一生歯性」または「常生歯」といいます。

ウサギは草食なので、繊維の豊富な草や木の実を食べます。よくかじらないと食べられないことから、歯が伸び続けても丁度よくすり減ってバランスをとっていると考えられます。また、食物繊維は少しずつかじって摂った方が、消化吸収がよくなることからも、歯がすり減ることが前提で伸び続けます。

人間は食物繊維だけでなく、肉や穀物も食べる雑食なので、歯の生え変わり方が違うと考えられます。

ブタ

ブタの歯の数は人間よりも多く、噛む力も強力です。前歯の門歯は上下左右で12本、その後ろにキバがあり、硬くて大きいものはキバで砕きます。奥には小臼歯は16本、大臼歯は12本で、合わせて44本の歯があります。

ブタも人間と同じく1度だけ生え変わる「二生歯性」で、乳歯は約2年で永久歯に生え変わります。人間と歯の数は違いますが、歯の種類は似ていて、内臓器官もよく似ています。

ゾウ

歯の数は26本で、伸び続けるキバが2本と、顎の骨にレールのような溝があり、そこに奥歯である臼歯が並んで生えています。歯がすり減る頃、奥に新しい歯ができ、新しい歯が古い歯を押し出して生え変わります。これを「水平交換」といい、約70年の一生のうち6回歯が生え変わると言われています。
 
人間より少し短い一生ですが、歯の生え変わり回数は多いのは、大きな体を維持するための食事量がとても多いことが、理由として考えられます。

ワニ
ワニ

歯の数は約80本と多く、「多換歯性(多性歯性)」といって、40回くらい生え変わると言われています。ワニは肉食で、大きな口を開いて鋭い歯で獲物を捕らえ、歯に大きな負担がかかります。

人間の歯と違い、顎の骨にくっついて生えているので、クッションの役割をするものがなく、衝撃が直接歯に伝わって、欠けたり折れたりします。歯がなくなってしまうと獲物を捕らえられなくなりますので、何度も生え変わると考えられます。

人間のように食べ物を奥歯で噛まず、そのまま丸呑みにするので、獲物を捕らえる目的ですべての歯が尖っています。

サメ

種類によって異なりますが、歯の数は約200本です。ワニと同様で、三角に尖った歯は肉を食いちぎるために使い、顎の骨にくっついて生えているので折れたり欠けたりします。するとサメの歯は、1本だけでなく1列すべてが入れ替わります。

歯の後ろ側には、6~10列もの歯が準備されていて、歯が抜けると次の列が前に出て、古い列はすべて抜けます。2日~2週間ごとに生え変わり、一生涯で1,000回、20,000本の歯が生え変わると言われています。

まとめ

草食動物であれば消化がしやすいようよく噛める歯になり、肉食動物は獲物を捕らえやすく、それぞれの動物が生きていく上で、効率がいい歯になっているのです。

人間の歯は雑食ですのでその中間ともいえ、切歯で野菜をかみ切り、犬歯で肉をちぎり、奥歯で穀物も合わせて噛み砕きます。

その歯は一度しか生え変わらないので、乳歯も永久歯も大切にしたいものです。しかし磨き残しがあるとむし歯や歯周病になり、歯を抜かなくてはならないこともあります。

一生自分の歯で、食事をおいしく食べるために、定期的に歯科医院で検診を受けるとともに、必要に応じて歯列矯正をお勧めします。歯並びをきれいに治すことで、歯の凹凸が少なくなるので歯磨きがとてもしやすくなります。歯科医院に気軽に相談することから、始めてみましょう。

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