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矯正歯科
2017.08.17

矯正でできるブラックトライアングルとは

はじめに

ブラックトライアングルという言葉を耳にしたことはおありでしょうか。ブラックトライアングル(黒い三角形の意)とは、歯と歯の間のすき間と歯肉に囲まれた三角形のすき間のことで、口の中が暗いため黒く見えます。また、ダーク(影、暗い)トライアングルと呼ばれることもあります。専門的には「歯間鼓形空隙」という名称でも呼ばれます。

病気ではないのですが、見た目に若々しさが損なわれてしまうことや、きれいに清掃しにくいことから、気になるという方も多くいらっしゃいます。ブラックトライアングルは歯周病や加齢によってもできるのですが、今回はとくに、矯正治療との関連について考えてみたいと思います。

矯正でブラックトライアングルができることがあるのはなぜ?
矯正でブラックトライアングルができることがあるのはなぜ?

矯正治療により歯ならびが改善されると、ブラックトライアングルが出現する場合があります。おもに以下の3種類のケースがあります。

■もともとガタガタの歯ならびだったケース
叢生と呼ばれる凹凸の歯ならびを矯正で正しい位置に並べた場合に、ブラックトライアングルが出現しやすくなります。これは、歯が凹凸に並んでいたときにはその間の歯ぐきも重なってすき間が見えない状態だったのが、矯正により歯と歯の間隔が正常な距離に広がり、歯ぐきのすき間が目立ってしまうという現象です。

■前歯を抜歯して矯正したケース
抜歯して矯正すると、歯が少なくなることで空間が余りがちになり、抜歯せずに矯正した場合と比べてすき間が目立ちやすい傾向にあります。

■矯正で溶かした歯槽骨が完全には再生されないことが原因のケース
歯列矯正は、歯槽骨に植わっている歯に、少しずつ力を加えることで、歯槽骨が溶けて歯が動き、その後また歯槽骨ができるという仕組みを利用しています。これを骨吸収・骨形成といいます。
骨吸収によって溶けた骨が、骨形成によって元に戻るということになっているのですが、実際には完全に元のレベルまでは再生されないこともあります。そのため、その分だけ歯ぐきが下がってしまい、ブラックトライアングルが出現するというわけです。

できてしまったブラックトライアングル、治らないの?

凹凸の歯ならびを矯正したケースなどのうち、歯ぐきや歯槽骨の高さに変わりがない場合には、時間がかかっても歯間の歯ぐきが立ち上がってくることが多いようです。だいたい数カ月から数年かかるとされています。

しかし、骨が下がっている場合や、成人(特に中高年層)の方の場合にはブラックトライアングルが形成されたままになることがあります。また、歯肉が薄く退縮しやすい方、日ごろの歯ブラシ習慣に問題がある方、歯周病を持っている方も、ブラックトライアングルの消失が難しい場合があります。

矯正治療を開始する前に、骨の状態などからブラックトライアングルが出現する可能性が高い場合、担当の歯科医師から説明があるかもしれません。また、必要以上に歯ぐきが低下することを防ぐ矯正方法によりブラックトライアングルが出現する可能性を抑えることができますので、相談してみるとよいでしょう。

ブラックトライアングルは治療する必要があるの?
ブラックトライアングルは治療する必要があるの?

前述のように、ブラックトライアングルは病気ではないため、治療をしなくてもとくに害があるわけではありません。しかし、見た目が悪く、顔全体の印象にも影響を与えてしまうのは確かです。ブラックトライアングルを治療することで、より若々しい印象を保つことができます。

見た目を良くするために多くの時間と費用をかけて矯正したのに、ブラックトライアングルのせいで見た目が悪くなってしまったという残念さから、ブラックトライアングルの治療を希望する方も少なくありません。

また、ブラックトライアングルに食べカスが挟まる、きれいにブラッシングが行いにくい、といった衛生上の問題も存在します。プラークがたまりやすいことで歯周病のリスクが高まり、さらに歯ぐきが下がってブラックトライアングルが拡大することにもつながりかねません。加えて、ブラックトライアングルが大きい場合には、発音に影響するケースもあります。

ブラックトライアングルの治療には保険が適用されず、自費での治療となります。治療にもいくつかの選択肢がありますので、費用面を含め、メリットとデメリットを比較考量しましょう。

ブラックトライアングルの治療にはどんな方法があるの?

ブラックトライアングルの治療方法はいくつかあり、担当の歯科医師と相談して自分にとってベストの方法を選択します。

■歯ぐきの移植
口の中のほかの部分、たとえば口蓋などから歯ぐきを少し切り取り、ブラックトライアングルのところに移植する方法です。切り取ったところは時間とともに元に戻ります。
歯槽骨の不足を補うため、顎や腰から取ってきた骨を移植する場合もあります。

■IPR
歯と歯の間のエナメル質を0.5ミリほど削り、歯と歯を寄せることで、すき間を目立たなくする方法です。ストリッピングやディスキングと呼ばれることもあります。削るのはエナメル質部分をごくわずかに削るため、削ったところがしみるなどの心配はありません。
また、ブラックトライアングルが1カ所だけにできている場合など、削ることなく歯の角度を調整して歯と歯の根を寄せる方法で、すき間が目立ちにくくなることもあります。

■詰める、貼る、かぶせる
レジン充てん(削らずに歯にレジン樹脂を盛る方法)、ラミネートべニア(歯を少し削って、表面に薄いセラミックを付け爪のように貼り付ける方法)、セラミッククラウン(かぶせものをかぶせることで歯の形を調整する方法。歯をかなり削ることになります)といった方法で、ブラックトライアングルを目立たたなくすることができます。

■ヒアルロン酸注入
アンチエイジングで有名なヒアルロン酸注入ですが、歯ぐきにヒアルロン酸を注射することで歯ぐきが自然な感じで膨らみ、ブラックトライアングルが目立ちにくくなります。3週間ごとの注入を5回から10回行う治療です。

まとめ

矯正治療でできるブラックトライアングル、その原因と治療方法についてご理解いただけたでしょうか。

ご自分で行えることとして、ブラックトライアングルの予防・悪化防止のため、正しいブラッシングでプラークコントロールをし、歯ぐきが弱らないよう気をつけましょう。美しい歯並びと健康な歯ぐきで、若々しい笑顔をキープしましょう。

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