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矯正歯科
2017.08.11

口の中の頬に黒い点?原因と正体について

はじめに

歯並びを治したいと思ったとき行われるのが矯正歯科治療です。
矯正歯科治療では、歯にブラケットとよばれる金具を装着し、ブラケットの中心を通るよう金属製のワイヤーを全ての歯に通します。
ワイヤーの働きで、歯を移動させて歯並びを整えていきます。
ブラケットは、金属製やセラミック製などいろいろなタイプがあります。どのタイプでもブラケットの表面は平らではなく、ワイヤーを通し、かつ固定するために複雑な形をしています。

そのために、ブラケットの凹凸が口の中に傷をつくることも。また、ワイヤーの端の部分で、口の中に傷つけてしまうこともあります。特に頬に傷をつけた場合には、頬に黒い点が現れることがまれにあります。
この黒い点は、ほとんどの場合血腫、いわゆる血豆です。
それ以外にお口の中に生じる黒い点のような症状を生じる病気についても、あわせてまとめてみました。

血腫(けっしゅ)
血腫(けっしゅ)

血腫とは、いわゆる血豆です。
頬に血腫が生じた時、暗紫色のドーム状の隆起として現れます。
痛みを伴わないことが多く、その場合見つけなければ、そこに血腫があることさえ気がつかないことになります。
触ってみると、ブヨッとした感じ、ゴムまりの様な硬さを呈します。
その原因は、頬の内側で出血することです。出血しても出口がないために、頬の内部で血液がたまって出来ます。したがって、血腫の表面に切開をすると出口が形成され、そこから血液が流出して、急速にしぼみ消失します。
矯正歯科治療のブラケットやワイヤーだけでなく傷ついてしまった時に発生することが多いです。また、他には歯ブラシで頬をついたり、頬を誤って噛んだりしたことによっても生じます。
ところで、血腫は切開しなくても、自然に吸収されてなくなってきます。したがって、経過観察としていても心配ありません。ただし、1週間から10日経っても消えてこない場合は、歯科医に診てもらいましょう。

悪性黒色腫(あくせいこくしょくしゅ)

悪性黒色腫は、皮膚やお口の粘膜にできる悪性腫瘍のひとつです。メラノサイトとよばれるメラニン色素を含む細胞がガン化することから、メラノーマともよばれます。
頬に出来る場合は、頬の表面に盛り上がった黒色の境界が凸凹した出来物として現れます。
この悪性黒色腫ができる原因はよくわかっていませんが、ほくろが原因という以前考えられていた仮説は、現在では否定的とされています。シミとの関係もありません。
悪性黒色腫の症状は、形が左右非対称である、輪郭が整っていない、色にむらがある、長経が6ミリメートル以上である、盛り上がっているなどです。
ただし、専門の医師が診ても肉眼的に判断するのはとても困難とされています。悪性黒色腫と確定するためには、細胞の検査を行なう必要があります。
お口の中に悪性黒色腫が生じた場合は、口腔外科で治療を行ないます。基本的には外科手術の適応となります。腫瘍周囲の10〜20ミリメートルほどの安全域を含めて全て取り除く治療を行ないます。
早期に発見出来れば、その予後は比較的良好とされます。

血管腫(けっかんしゅ)

血管腫とは、血管が広がったり、増えたりして出来た良性腫瘍です。
お口の中では、頬に限らず舌にもよく出来ます。
血管腫は、痛みを伴いません。その症状は、暗紫色のドーム状の隆起として現れることが大半です。
血腫とよく似ていますが、血腫と異なり自然に治って消失することはありません。また、血管腫の内部の血管の中枢側を押さえると、血液の流れが滞り、色が薄くなるという特徴があります。ただし、深部に出来た血管腫では、血管を押さえることは難しいです。
血管の集合体なので、血管腫を傷つけると、その出血量はかなりのものとなり、止血が難しいことも稀ではありません。
血管腫の治療法は、外科手術です。血管腫の周囲に切開を入れ、血管腫を剥離します。最後に、血管腫に届いている血管を結紮して摘出します。それ以外に液体窒素を使った凍結療法が行なわれることもあります。

メラニン色素沈着
メラニン色素沈着

メラニンとは、紫外線の刺激から身体を守っている色素のことです。
メラニン色素が過剰に沈着することがあり、その場合、お口の粘膜に黒や茶色の斑点状の模様として現れます。病的なものではありませんので、心配ありません。
お口の中では、歯茎に出来ることが多いのですが、頬に出来ないわけではありません。
人体に悪影響があるわけではないのですが、外見的に目立つという訴えがある場合は、レーザーなどを使ってメラニン色素を落とす治療をします。

ほくろ

メラノサイトとよばれるメラニン色素を含む細胞がたくさん集まって出来たものです。
その症状は、黒いだ円形を呈することが大半です。
痛みはないので、気がつくまではほくろが出来ていることすら気がつきません。
病気の分類上では、良性腫瘍に分類されます。
頬に出来ることもありますが、基本的には経過観察となります。
もし大きくなってくることがあれば、悪性黒色腫の可能性を疑い、細胞の検査を行うことがあります。
検査結果が悪性黒色腫だった場合は、悪性黒色腫として治療を行なわなければなりません。

まとめ

矯正歯科治療のブラケットやワイヤーが頬やその他のお口の粘膜を傷つけると、血腫とよばれる黒い点状の隆起が生じることがあります。
血腫は、粘膜内部の組織で出血が起こり、組織の内部に血液がたまったものです。切開すれば出血して自然に消失します。また、そのままおいておいても、自然に吸収されてなくなってくるので大丈夫です。

その他には、メラニン色素の沈着やほくろがあります。これらは、基本的には経過観察となります。矯正治療中は口の中をたくさん触ることが多いので負荷がかかったり、傷がついたりしやすくなります。黒い斑点が出て不安になったら、まずはかかりつけの歯科医師に相談してみましょう。

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