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矯正歯科
2017.08.20

歯科の麻酔で動悸や手の震え?原因と対処法を解説

はじめに

矯正治療を進めていく上で抜歯が必要な場合、麻酔の注射を使います。しかしこの麻酔により動悸や震えなどの症状が出てしまうことがあります。歯科の麻酔で起きてしまうこのような原因と対処法はどんなことでしょうか。

矯正治療における抜歯の必要性とは
矯正治療における抜歯の必要性とは

矯正治療では乱れた歯並び及び、咬合異常(噛み合わせの異常)が顕著な場合、噛み合わせを正常なものにするため抜歯が必要と判断されることがあります。この場合抜歯をしてから歯列矯正を行っていきます。抜歯は小臼歯が多く、ほとんどの場合左右1本ずつ抜歯しますが、噛み合わせにより1本だけ抜歯するケースもあるようです。また歯並びだけでく、虫歯になるリスクが高い親知らずを抜歯するケースもよくあります。なお犬歯は抜くべきかどうかと疑問に思われがちですが、犬歯が持つ機能面から考えて、抜歯することはあまりありません。

歯科用麻酔後に起きる可能性がある症状とは

矯正治療に伴う抜歯ですが、麻酔後に気分が悪くなることがあります。その原因を考えてみます。

■注射に対する苦手意識によるもの
歯科の治療が苦手、そして怖いと思う患者さまは多くいらっしゃいます。その理由として最も多いものは、麻酔の注射が怖いということです。というのも「麻酔の注射=痛い」と思われているからです。特に腕に打つ注射が苦手な方は、歯科治療で使う麻酔の注射も苦手意識が強いでしょう。

注射に対する苦手意識や恐怖心により緊張感が高まり、気分が悪くなったり動悸が激しくなってしまうなどの症状が現れます。治療前からドキドキし、呼吸が浅くなるなど麻酔をする前から落ち着きません。緊張感のために体に力が入っていると、余計に痛く感じてしまいます。

■心因性のもの
注射そのものよりも、歯科治療そのものに対する恐怖心のあまり、麻酔の注射後に動悸が止まらない、震える、吐き気、ふわふわするといった症状が出る方もいます。中には歯科治療を希望しても、麻酔を打つと必ず脈が速くなり、治療そのものを中断せざるを得なくなる患者さまもいらっしゃるようです。

■体調や全身疾患によるもの
その日の体調が優れない場合や血圧が高めな方も、麻酔の注射後に動悸が激しくなり、気分が悪くなることがあります。疲れが溜まって寝不足の時など、麻酔後気分が悪くなることがあります。そして全身疾患ですが、特に高血圧の方は、麻酔に含まれる成分により、血圧が若干上昇することがあります。それが原因で麻酔後のふらつきを感じる方もあるようです。

■麻酔薬に含まれる成分による過敏性のもの
歯科医院で最も多く使われているのがキシロカインという麻酔液です。この麻酔液には「エピネフリン」という成分が含まれており、この成分により過敏反応が出てしまうことがあります。エピネフリンには血管を収縮させる作用があり、薬が長く血管内に留まります。そのため効き目が長く続き、出血も少なくて済むという利点があります。

このように歯科治療にはこのエピネフリンは必要不可欠なのですが、過剰反応により気分が悪くなることが原因として考えられています。特に保険診療の場合、麻酔の効きがあまりよくない場合、追加で打つことがあります。ある程度の本数を打っても問題ないと言われていますが、エピネフリンに対する過剰反応がある方は気を付けなければいけません。

麻酔後の不快症状の対処法とは
麻酔後の不快症状の対処法とは

ではこういった麻酔後の動悸や震え、気分の悪さなどがなるべく起きないようにするための対処法とは、どんなことが考えられるのでしょうか。

■痛くない麻酔
まず麻酔時の工夫が大きなポイントとなります。麻酔の注射が最も苦手という最大の理由は、「痛みを感じるから」です。この痛みを感じることがなければ、麻酔を使用する歯科治療も緊張せず、スムーズに行えることでしょう。特に矯正治療では抜歯を行うことが多く、麻酔は不可欠になります。痛みを感じない麻酔時の工夫とは「表面麻酔を使った二段階の麻酔」「最も細い針を使う」「人肌程度の麻酔液をゆっくりと入れていく」という3つです。

要は「針を刺すときのチクッとした痛み」を感じないことです。まずは表面麻酔と言われるものを使用します。いきなり針を刺して注射をするのではなく、表面麻酔と呼ばれるジェル状または麻酔液が含まれた小さなシール、あるいはスプレーを歯ぐきの表面に塗ります。感覚を鈍らせる表面麻酔は塗るだけなので、もちろん痛みはありません。

このあと針を使った麻酔を打ちますが、このときの針の太さにも違いが出てきます。歯科用注射針には針の太さが何種類かありますが、最も細い針を使うことで痛みを最小限に抑えることができます。また麻酔液が冷たいと痛みを感じやすくなりますが、人肌程度の麻酔液は痛みを感じにくいとも言われています。この麻酔液を、痛点の少ない場所へゆっくり入れていくことで、痛みを感じることがなくなります。歯科医師がスピードをコントロールして手動で行うもの、電動で一定のスピードで行うものの他、針のない麻酔注射器を導入している歯科医院もあります。

■麻酔液を変える
歯科治療で最も多く使われている麻酔液は、先ほど述べたエピネフリンが含まれているキシロカインと呼ばれるものです。キシロカインに含まれるエピネフリンに反応し、麻酔後に動悸や震えが起きることがあります。対処のひとつとして、エピネフリンを含んでいない麻酔液(シタネスト)を使うことが挙げられますまた血管収縮剤を含んでいない麻酔液(スキャンドネスト)というものもあり、患者さまごとに使い分けている歯科医院もあります。ただし歯科医院により、シタネストやスキャンドネストを取り扱っていない場合があります。

■笑気麻酔、静脈内麻酔を行う
取り扱っている歯科医院に限りがありますが、笑気麻酔および静脈内麻酔を行う方法もあります。針を使わず鼻から麻酔を吸い込む笑気麻酔、点滴のように血管内に麻酔を流す静脈内麻酔は、極度の歯科恐怖症の方や高血圧の方に適した麻酔法です。ただしどこでも取り扱っているわけではないため、事前に調べる必要があります。

■深呼吸をすることで、気持ちを落ち着かせる
ドキドキすると、呼吸が浅く早くなり、麻酔の痛みを強く感じる原因になります。まずは深呼吸をし、気持ちをリラックスさせます。鼻から息を吸って、ゆっくり口から吐くことで体の力が抜け、幾分リラックスできるでしょう。深呼吸を繰り返すことで緊張感が溶け、落ち着いた気分で治療を受けることができます。心因性が原因の方には有効な手段です。

原因別に対処し、適切な処置を受けることが大切

矯正治療をはじめとした歯科治療には、麻酔を必要とするケースが多いため、麻酔による反応が著しい場合は原因を調べた上で処置を受ける必要があります。麻酔に対して不安が強い方、過剰反応が起きる方は歯科医師にご相談ください。

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