矯正歯科 コラム
トップページ > コラム > 矯正歯科 > 歯科矯正治療で医療費控除は受けられる?仕組みと還付を受けるための条件
-->
矯正歯科
2017.08.29

歯科矯正治療で医療費控除は受けられる?仕組みと還付を受けるための条件

はじめに

医療機関にかかり、そこで発生した治療費の一部が確定申告により還付される仕組みである「医療費控除」というものがあることはご存知でしょうか。

年間にある一定以上の額となる治療費が発生した場合、その費用の一部を国が援助するために行われるものであり、保険では認められていない高額な治療がおもな対象です。つまり歯科診療の場合ではインプラント治療や矯正治療などがその対象となります。

そこで今回は、矯正治療にかかった費用を医療費控除により還付を受けるための方法や条件などをご紹介したいと思います。

医療費控除の対象となる医療費の金額について
医療費控除の対象となる医療費の金額について

まず、医療費控除で還付を受けるための第一条件であるのが矯正治療にかかった費用の額です。最低でも「10万円以上」かかった場合に、はじめて医療費控除の対象となります。また、その費用が一年以内にかかった場合にのみ医療費控除により還付金が受けられます。

つまり例を挙げると、その年の10月より矯正治療を開始することになり、その治療にかかる費用が総額で「20万円」だったとします。その費用を年内に全額、あるいは半額でも現金で支払った場合、確定申告により医療費控除が受けられます。

しかし、費用が少々高額なため、人によっては現金で支払わずに、クレジットローンあるいはデンタルローンを利用して支払う方もいるかと思います。この場合、矯正治療にかかった全費用を一定の額に分割し、時間をかけて支払っていくことになります。よって年内に矯正治療の全額、あるいは半額以上を支払ったことにはならず、医療費控除の対象外となってしまうのです。

よって医療費控除を受けるための第二の条件は、矯正治療にかかった費用の全額、あるいは半額以上をその年の12月内までに現金で支払うこととなるのです。

矯正治療の目的

次に医療費控除を受ける上で重要となるのは、「矯正治療を行った目的もしくは理由」です。医療費控除は、基本的に保険では認められてはいない治療であっても、治療を受けなくてはいけない何らかの理由がある場合、還付が受けられることになっています。

そのため、「歯周病の治療のために矯正治療を行った」「永久歯の歯並びに影響するため矯正治療を行った」というような理由があれば還付が受けられやすいと言えます。特に、将来の歯並びに影響する小児矯正の場合、先天性(生まれつき)の歯並びの問題によって矯正を行うケースもあるため、医療費控除の対象になることが多いものです。

対して大人の成人矯正の場合、小児矯正の場合と比べて「治療目的」として行われる矯正が少ないため、医療費控除になりにくいことが多い傾向にあります。つまり、歯並びの見た目を改善するために行う矯正治療は「審美治療」にあたると言え、審美目的の治療は医療費控除の対象外とされてしまうのです。

具体例を挙げると、前歯のみを限定して行う「部分矯正」は、あくまで前歯の見た目を改善する目的で行われることが多い治療です。そのため「部分矯正」に「10万円以上」の費用がかかったとしても、医療費控除の対象としては認められない可能性が高いと言えます。

しかし「歯周病の治療のため矯正治療を行った」「顎関節症の治療のため噛み合わせ改善の矯正治療を行った」といった治療の目的があれば、成人矯正でも対象になります。このように矯正治療による医療費控除を受ける場合は、矯正治療の目的をしっかり把握しておくことも大切です。

医療費控除で還付される金額
医療費控除で還付される金額

矯正治療に10万円以上の治療費がかかった場合、医療費控除の対象となることを最初にご説明しましたが、ここで気をつけなくてはいけないのが実際に還付される金額です。医療費控除で還付される金額は医療費の全額ではなく、医療費に所得税率をかけて算出した金額を、実際にかかった医療費から差し引いた金額が還付されます。

例えば、矯正治療に20万円かかったとします。そこから20万円×所得税率を差し引きます。この時の所得税率を10%とした場合、医療費控除で還付される金額は18万円ということになります。

ちなみにこの時の所得税率は、課税所得(税金として支払った額)に応じて変動します。もし課税所得が195万円以下の場合は5%の税率となり、195万円以上330万円以下の場合は10%となります。このように課税所得の金額が大きければ大きいほど、還付される金額は多くなり、なおかつ税率は変動していきます。

また何らかの保険に加入していることにより、矯正治療に対してある程度の給付金が支払われた場合、その額も還付額から差し引かれますのでご注意下さい。このように、医療費控除で還付が受けられる金額は、課税所得の金額や給付金の有無などによって変動することを覚えておきましょう。

医療費控除で多く還付を受けるためのコツ

最後に医療費控除で還付を多く受けるためのコツについてご紹介したいと思います。ちなみに医療費控除は個人を対象としたものではなく、同じ世帯に住むご家族もまとめて対象となっています。

つまり矯正治療を受けたお子様がいて、なおかつほかのご兄弟や親御さんなどが何かしらの理由で治療を受けた場合、その際の医療費も一緒に還付の申請を出すことができます。要するにひとりひとりの医療費ではなく、何かしら治療を受けた全員分の医療費の総額を申請できるのです。

例えば年内にご家族の誰かが風邪にかかり病院を受診し、病院から処方箋が出されたとします。その後、処方箋を持参し薬局で飲み薬を処方してもらい、そこで病院の受診にかかった金額とは別の薬代の費用が発生します。この2つの費用をまとめた金額も医療費控除の対象となります。

また医療機関に受診するためにかかった交通費も医療費控除に含めることができます。そのため風邪のため医療機関に移動した時の交通費だけでなく、矯正治療のための通院にかかった交通費も控除に含めることができます。

ただし自家用車のガソリン代や、緊急時以外のタクシー代は対象にならないなど、交通費については細かく制限が設けられているので、よく確認を行いましょう。

医療費控除をうまく利用しよう

今回は矯正治療を受けた場合の医療費控除を中心にご説明をいたしましたが、基本的に虫歯の治療や歯周病の治療も医療費控除の対象です。そのため矯正治療のほかにも基本的な歯の治療を受けている場合は、それもまとめて医療費控除に申請できるので覚えておきましょう。

また矯正治療に必要であるために購入したものは控除の対象となりますが、虫歯予防や歯周病予防のために購入した歯ブラシや歯磨き粉などは対象となりません。

このようにほかにも細かい設定がありますので、正しく多く医療費控除の還付を受ける場合はよく調べながら行いましょう。

<サイト運営会社>
株式会社デンタルプロモーション