矯正歯科 コラム
矯正歯科
2017.09.7

歯列矯正すると食事できない?食べにくい原因とは

はじめに

歯列矯正中の食事に不安を感じ、治療を始めることを迷われている方もいるでしょう。治療開始前に食事の影響についてあらかじめ学んでおくことは、治療への抵抗を少しでも解消することにつながります。

今回、歯列矯正の影響で食べにくくなってしまうメカニズムや、食べやすくする対処法などをご紹介します。


歯列矯正の装置をしたままで食事はできるの?
歯列矯正の装置をしたままで食事はできるの?

歯並びを治すために装置を装着するため、食事に関する心配をする方は多いようです。装着したまま食事することは可能なのでしょうか。

■歯列矯正していても食事はできる
歯列矯正をしていても普通に食事することができます。ただ、「ブラケット」という小さな器具を付けてワイヤーの力で歯を動かす装置は長期間装着したままになり、食事の際に食べにくいことも多くなってしまいます。

矯正方法にはいくつか種類があり、取り外しができるものや噛む機能に支障のない治療であれば特に心配することはありません。

■ブラケット矯正は食事が不自由?
ブラケット矯正をしている場合には、口を動かす動作が前よりも不自由になるため、食事しにくいと感じることがあります。基本的には食べられないものはありませんが、食べるのを控えたほうが良いものや食べにくいものはあります。また、一定期間痛みで固いものも噛みにくくなってしまいます。

矯正治療中に食事し辛くなるメカニズム

まずは、なぜ矯正治療をすると食事し辛くなるのかを考えてみましょう。

■歯が動くときの痛みで食べ辛い
ブラケット矯正は、歯の表面に1つ1つブラケットという装置を付け、それらをワイヤーでつなぎ、ワイヤーを調整することで正しい位置に歯を誘導して並べる方法です。

1ヶ月に1回少しずつ力を加え、長い期間をかけてゆっくり引っ張ります。1回の調整にかける力はわずかでも継続的に歯が引っ張られた状態になるため、歯の周りの骨も動かされ痛みを伴うことがあります。

■装置による影響が気になって食べ辛い
調整を加えた当初が最も痛みを感じ、その後は徐々に落ちついてきます。しかし完全に痛みが消えるわけではありません。歯が浮いた感じが残っていたり、固いものを噛んだ拍子に痛みを伴う状況が続きます。

また、固いものを噛んだ拍子に器具がずれたりワイヤーが歪んでしまう可能性もあるため、あまり固いものを食べにくくなってしまうのです。

■装置に絡んで取れにくいのが気になる
ブラケットの形は複雑な形をしています。またワイヤーはそれぞれのブラケットをつないで歯と歯をまたいで連結しています。このような形状や繋がっている部分に、細長い食べ物やくっつきやすい食べ物が絡んでなかなか取れにくくなってしまうのです。

矯正中でも食事しやすくする方法はある?
矯正中でも食事しやすくする方法はある?

では、矯正治療をしていても食事がしやすくなる工夫や対処法はあるでしょうか。

■噛むと痛い時期の食事
噛むことが辛い場合には、主食もおかゆなどの柔らかいご飯や麺類など工夫し、あまり噛み切らなくてもよいものを選びましょう。

強い痛みもずっとズキズキ続くようなことはなく、「噛んだら痛い」という痛みであり、数日経過すれば徐々に和らいできます。どうしても食べれない場合はヨーグルトやゼリーなど、のど越しの良いもので様子を見ましょう。

■取り外しができるマウスピース矯正を選択する
マウスピースを1日20時間以上装着し、マウスピースが歯へかける力で歯を徐々に移動させる矯正法があります。少しずつかける圧力を2週間おきに交換しながら調整していきます。

ブラケット矯正とは違い装置が取り外せるため、食事の際に食べ物が引っかかり食べにくいという悩みは解消されます。ただしこの方法は比較的簡単に動かせる歯並びの場合でしか適応できないため、選択できるかどうかは歯科医院でご相談ください。

■矯正装置を使わないセラミック矯正を選択する
矯正装置を装着すること自体に抵抗がある場合は、治療で歯並びを整える方法もあります。歯並びが気になる部分の歯を削った上からセラミック製の人工歯を被せ、きれいな歯並びへ調整していきます。

歯を骨や根っこごと移動させるわけではありませんので痛みを伴うことはありません。また、ブラケットのような装置も必要ありませんので、食べ物が引っかかることもないのです。

ただしこの方法は歯を大きく削る必要がありますので、健康な天然の歯を削ることのリスクも考慮して選択することをおすすめします。

ブラケット矯正しながら食事と付き合う方法

「一生自分の歯で食べることができる」ということを考えれば、ブラケット矯正はとても有効的な方法です。ブラケット矯正をしながら食事を工夫することも考えてみましょう。

■ブラケット矯正のメリットも考えましょう
「食事の面倒さを避けたい」ということを一番に考えた場合には、ブラケット矯正を使わない矯正方法や治療を選択することでわずらわしさから解放されます。しかし、歯のことを長い目で考えると、「ブラケット矯正」のメリットも大きい要素です。

ブラケット矯正はさまざまな歯並びに対応できる矯正方法です。矯正中の数年は食事面で不便かもしれませんが、矯正が終了したあと一生自分の歯でおいしい食事を続けられることを考えると、ブラケット矯正でを頑張っていただきたい歯並びの方もいらっしゃいます。

■装置が入っている期間の歯みがきは丁寧に
ブラケットやワイヤーには食べ物が引っかかりやすく、凸凹の装置と歯のすき間にも食べかすが残りやすくなってしまいます。しかし、歯みがきをしっかりおこなえば、引っかかるから食べれないということは考えなくてよくなります。

細かい部分にも届きやすいようにするために、ヘッドの小さ目な歯ブラシや小さな毛先のタクトブラシという道具を使用したりすることで解消されます。「しっかりていねいに磨く」を徹底していれば何を食べても大丈夫なのです。

まとめ

歯列矯正は歯に人工的な力を加えて動かすのですから、確かに何らかの影響はあるでしょう。しかし食事が全くできなくなることも、食べられないものもありません。もし食べにくいことを苦痛に感じる方は、矯正方法を検討するのも方法のひとつです。

ただし歯並びの状態や歯の健康度合いなどを考慮し、矯正装置を付けたままでもできるだけ快適に食事する工夫も参考にして決めていただければと思います。