矯正歯科 コラム
トップページ > コラム > 矯正歯科 > 指しゃぶりは悪いばかりではない!適切な止めさせ時と継続時のリスク
-->
矯正歯科
2017.09.22

指しゃぶりは悪いばかりではない!適切な止めさせ時と継続時のリスク

はじめに

小さな子どもが指をしゃぶるのは自然なことですが、指しゃぶりが原因で歯並びが悪くなるといった話も耳にします。子どもが指しゃぶりをしていたら、すぐに止めさせた方が良いのでは、と焦る親御さんもいらっしゃいます。

しかし、実際には指しゃぶりには子どもの発達の中でそれなりの必要性があり、悪いことばかりではないのです。いつくらいまで指しゃぶりを続けても差し支えないのか、それ以降続けるとどんなリスクがあるのか、そして指しゃぶりの止めさせかたについて、ご紹介していきたいと思います。


指しゃぶり、実は必要?
指しゃぶり、実は必要?

赤ちゃんは、お母さんのおなかの中にいるときから指しゃぶりをしています。14週頃から口に手を持っていく動き、24週頃からは指を吸う動き、32週頃からは指を吸いながら羊水を飲みこむ動きが見られます。母乳を飲む練習として、必要な口の筋肉などを鍛えているのです。これを吸啜反射といい、生まれた時点で指にもう吸いダコができている赤ちゃんもいるということです。

生まれてからはこの練習を生かして栄養を摂るわけですが、生後2~3カ月頃から口のそばに来た指や物を無意識に吸うことが多くなります。口と指は、身体の中でも特に感覚の鋭いところ。その口と指をお互いに刺激し合うことで、感覚の発達や協調運動の学習につながっているようです。

また、小さいうちは指しゃぶりという行為を通して不安や緊張を解消し、精神的な落ち着きを得ているともいわれています。ほかにも、舌の筋肉や口の周りの筋肉が強化されること、顎の成長と発達を促進すること、飲み込む力や鼻で呼吸する習慣がつくことなど、指しゃぶりにもさまざまなメリットがあります。

そのため、3歳くらいまでの指しゃぶりは発達過程における生理的な行動であるとして、止めさせる必要性はないという専門家が多いです。しかし、4歳~5歳になっても長時間指しゃぶりをしていると、さまざまな弊害が出てしまいます。続く部分では、そのリスクについてお伝えしていきます。

指しゃぶり継続のリスクは?

4歳~5歳を過ぎてから、とくに永久歯が生えだしてからの指しゃぶりは、歯並びやかみ合わせに対して悪影響を及ぼします。

8歳の子どもの指しゃぶりで、口にどれくらいの力がかかっているかを調べた実験があります。計測の結果、周期的に87kPaもの力がかかっており、なおかつ前歯で指を強く噛んでいました。このような力が毎日かかると考えると、トータルでは大変大きな圧力となり、歯並びや顎の骨を変形させるというのもうなずけます。実際、指のほうには「吸いダコ」ができて変形していることが多いものです。

指しゃぶりにより、前歯がかみ合わずすき間ができてしまう「開咬」、出っ歯になる「上顎前突」、奥歯のかみ合わせが横にずれる「交叉咬合」などになるリスクがあります。また、タ行やサ行が発音しにくく舌足らずな話し方になる場合もあります。

指しゃぶりを止めさせるには?
指しゃぶりを止めさせるには?

3歳を過ぎたら、徐々に指しゃぶりを止めさせていくのがベストです。止めさせるのに効果的とされる方法はいくつかありますので、お子さんに合った方法を試してみてください。

■優しく言い聞かせる
言い聞かせた内容が理解できる年齢になってきたら、優しく声をかけて誘導しましょう。止めなければならない理由を説明したり、年中さんになるまで、○歳のお誕生日までなど、目標にする期日を定めるのもよいでしょう。幼稚園や小学校に上がるなど、環境の変化をきっかけにするのもよい方法です。

■社会性を利用する
3歳ごろからはちょうど社会性も発達してきます。たくさん友だちと過ごし、遊びに夢中になったり、赤ちゃんのように指をしゃぶるのが恥ずかしくなったりして、自然に止めやすい環境になってきます。定めた目標を家族や友だちの前で発表すると、決意が強まるかもしれません。

■手や口を使う機会を増やす
安静にしているとき、退屈なときに無意識に指しゃぶりが出やすいため、外で遊ばせる時間を増やしたり、指を使うようなおもちゃを与えてあげるとよいでしょう。

■寝付きの時間に一工夫を
どうしても指しゃぶりのゴールデンタイムになってしまうのが、寝付くまでの時間です。この時間に親子のスキンシップを図り、指しゃぶりをしなくても精神的な安定を得て入眠できるようにしてあげましょう。

例えば、寝入るまで手をつなぐ(指もしゃぶれない)、絵本を読んであげるなどするとよいでしょう。絵本を読むときは、一冊だけ読んであげるというのではなく、好きなだけ読んであげるというスタンスでいてあげるとよいようです。子どもは眠りながらもずっと読んでもらっている気がして、満たされた気持ちで眠れます。

■物理的な手段
どうしても指しゃぶりが止められないという子どもには、物理的に指をしゃぶれないように道具を使って止めさせる強硬手段もあります。例えば、指しゃぶり防止手袋や、指しゃぶり防止マニキュア(味が非常にまずい)といったものが市販されています。

こういったものは、ずっと使うのであればちょっと抵抗があるかもしれませんが、一時的に試してみるのはよいかもしれません。数日間、指しゃぶりをせずに過ごすことができれば、それをきっかけにすっかり指しゃぶり癖が抜けてしまう子どももいるようです。

また、指しゃぶりができないよう歯にはめる「習癖除去装置」についても歯科で相談できます。半年ほどはめて頑張ることで、指しゃぶりが原因だった歯並びやかみ合わせの異常が治ってきたというケースもあります。

どのような方法を使って指しゃぶりを止めさせるにしても、大人があせって厳しくなりすぎたり深刻になったりしないよう意識したいものです。かかりつけの小児科や歯科の医師、歯科衛生士などの専門家に相談しながら方法を探していきましょう。

まとめ

何かと悪者にされがちな指しゃぶり癖ですが、子どもの発達にとって意外な必要性があること、そして適切な止めさせ時があることについてご一緒に考えてきました。また、止め時を過ぎても指しゃぶりを続けることのリスクや、止めさせかたのヒントについても参考になったでしょうか。

指しゃぶりも子どもの発達のひとコマととらえ、その働きを全うしたのちは次第に卒業できるよう、少しずつアシストしてあげましょう。

<サイト運営会社>
株式会社デンタルプロモーション