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矯正歯科
2017.10.7

噛み合わせが深いのは問題なの?過蓋咬合について

はじめに

上下の歯がうまく噛み合っていないと、口の中の様々なトラブルを生む原因になることがあります。歯の噛み合わせはただ食事の時だけに必要なものではないのです。例えば過蓋咬合という噛み合わせの場合は歯の矯正治療の対症にもなります。ここでは過蓋咬合から引き起こされるトラブルと、過蓋咬合の治療の流れまでを追って見てみましょう。


過蓋咬合とは
過蓋咬合とは

まず過蓋咬合とは、簡単に言うと噛み合わせが深いことです。過蓋咬合かどうかは奥歯で噛み合った時の歯の位置で判断します。通常は上の歯の先が下の歯に少し被る程度に重なるもので、重なる部分の幅が1ミリから1.5ミリ程度であれば正常と言われています。ですが「蓋が過ぎる噛み合わせ」という名前の通り、過蓋咬合は上の歯という蓋が必要以上に深く下の歯に被さり過ぎています。

過蓋咬合の場合、奥歯で噛み合った時に上の歯が下の歯を覆ってしまうくらい深く噛み合わさってしまっています。中には上の前歯が下の歯をほとんど覆ってしまって下の歯が見えないほど深くなってしまっているケースもあります。

もし歯が出ているなどの歯並びの問題であれば患者が自分で気づけるのですが、過蓋咬合の場合、問題は噛み合わせが深いことにあるので、自分で気づくケースは比較的少ないです。学校検診の時や歯医者にかかった時に指摘されて初めて気づいた、ということもあります。

過蓋咬合の招くトラブル

過蓋咬合であっても問題は噛み合わせが深いだけで、他に何も問題ないと感じるかもしれません。しかし実は過蓋咬合によってその他のたくさんの口の中のトラブルが引き起こされかねないのです。過蓋咬合を治した方が良いと言える理由には例えば以下のものがあります。

■歯周病になりやすい
もし過蓋咬合なら噛み合わせが深いせいで、上の前歯の裏側の根元の歯ぐきに、通常は当たるはずのない下の前歯が当たってしまいます。上の前歯の根元は常に下の前歯が当たって刺激されるので、上の歯の歯ぐきはどんどん少なくなって下がってしまい、歯周病が進行しやすくなってしまいます。

また歯周病になりやすい別の原因は過蓋咬合により噛む時に奥歯に過剰な負担がかかっていることにもあります。噛む時の負担の度合いには個人差がありますが、過蓋咬合の場合は奥歯も均等に噛み合っていなく、ある特定の歯に他の歯何本分もの負担が一気にかかってしまうことがあります。

この負担が重過ぎると、その歯の歯ぐきは負担に耐えられなくなって後退していってしまうのです。もし歯ぐきは一旦下がると、それ以前のように歯ぐきが上がって回復していくのはなかなか難しいものです。歯ぐきは歯を支えている大事な組織なので、歯ぐきの後退は最低限のレベルにとどめておくことがベストと言えます。

■口内炎ができやすい
口内炎は、体調不良以外にも外的な原因により起こることがあります。原因は過蓋咬合により下の歯と上の歯の歯ぐきがぶつかり、やわらかい歯ぐきが下の歯に傷つけられたことにより傷ができたり、腫れたり、出血したりすることです。歯ぐきに口内炎ができた上でさらに下の歯が当たり続けると痛みがさらにひどくなるので、もはや噛めなくなってしまうという状態にもなり得ます。もしそうなったなら下の歯を削り、下の歯が上の歯ぐきに当たって刺激を与えないようにしなければならない時もあります。

■食いしばりの症状が悪化する
ここで言う症状というのは歯ぎしり等から来る歯の痛みや歯ぐきの腫れ等のことです。もともと歯ぎしりや食いしばりがない人の場合は過蓋咬合によりそうした癖が現れることはほぼないと言えます。しかしもし歯ぎしりの癖がある人なら歯ぐきの腫れ等の症状がより悪化する恐れがあるので注意が必要です。

理由はやはり下の歯が上の歯の歯ぐきに当たるからで、寝ている時に下の歯が上の歯ぐきに当たった状態で歯ぎしりが始まると歯ぐきは傷つき削れていってしまいます。そして歯ぐきは極端に下がってしまいます。仮にまったく過蓋咬合ではなくても、ただでさえ歯ぎしりが歯や歯ぐきに与える影響は大きく、害になり得ます。ましてや過蓋咬合があるうえに歯ぎしりや食いしばりが常にあるとしたなら、口の中がボロボロになりかねません。

■顎関節症になりやすい
過蓋咬合のデメリットの一つに含まれるのは下顎が自由に動けなくなることです。そもそも上顎は自分の意志で動かすことはほぼ出来ませんが、下顎は前後左右と可動域がとても広いのです。ですが過蓋咬合になると下顎が上の前歯によって常に奥に、つまり後ろに押し込められているような状態になるので、それにより顎の関節が圧迫されて動きにくくなってしまいます。

下顎の骨は本来そばにある顎を常に圧迫するような位置にはありません。こうして顎にも過度な負担がかかると、顎は次第に大きく開かなくなったり、口を開けた時にカクカクという音が鳴ったりします。顎を動かすと痛みが生じることもあります。

過蓋咬合の矯正治療
過蓋咬合の矯正治療

過蓋咬合においては噛み合わせが深いことが大きな問題なので、噛み合わせの深さの状態や顎の大きさなどによって治療方法が変わってきます。よく用いられている矯正治療であるワイヤー矯正(ブラケット矯正とも言う)とマウスピース矯正のどちらも過蓋咬合の治療は可能と言えます。過蓋咬合は一見すると前歯のみが目立って出ているように見えるものですが、実際には前歯だけの問題ではありません。

奥歯も噛み合わせが合っていないケースが多いので、過蓋咬合の矯正治療時には全体的にほぼすべての歯を矯正していくことが必要になるでしょう。症例によっては過蓋咬合だけでなくその他の症状が重なっているなどの理由によりマウスピース矯正が使用できないこともあります。

まとめ

歯並びが悪くなくても過蓋咬合になっているなら、矯正治療を受けることが必要になってきます。さもなければ様々な口の中のトラブルを招きかねません。もし上に示したような症状があるならすでに過蓋咬合かもしれません。また過蓋咬合は出っ歯など他の症状を伴うことも多いので、最初は出っ歯を治したいと思い矯正に行ったけれど実は過蓋咬合でもあった、という事もよくあります。いずれにせよ過蓋咬合は見た目だけでなく口の中に大きな影響を与える噛み合わせなので早めに矯正治療を始めましょう。

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