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矯正歯科
2017.10.13

歯科治療において歯科用CTが活躍する場面とは|歯列矯正の時にCT撮影は必要?

はじめに

歯科治療において、レントゲン写真はなくてはならないものです。それに対し、歯科用CTを撮影した方はそれほど多くはないでしょう。歯科治療において、CT撮影ではどんなことがわかるのでしょうか。またCT撮影は、歯列矯正では必要なのかどうか、その理由も検証します。


レントゲンとCTの違いについて
レントゲンとCTの違いについて

歯科治療において、画像を用いた診断は大変重要です。虫歯の有無や進行度合、過去に処置した歯の判別、根の状態そして顎の骨の量など、画像からわかることは大変多く、治療を行う上での大きな診断材料となります。では同じ画像診断でも、レントゲンとCTでは、いったいどこが違うのでしょうか。

■レントゲン撮影
レントゲンは、写真が平面的に写ります。これでお口全体の状態がある程度把握できます。顎の中に埋まって出てきていない親知らずも把握できます。

■CT撮影
CTは、3Dのように立体的な画像になり、パノラマレントゲン写真では確認し辛い歯の裏側の病巣や歯の形状、顎の骨の量、歯肉の中にある歯の位置などを詳しく確認することができます。レントゲンでは平面的な情報しか確認できませんが、CTでは患者様に撮影した画像をご覧いただきながらお話をすることで、より患者様にわかりやすく、納得いく説明ができることもCTの強みです。

精密に細やかな情報を確認できるため、精度が必要な治療において大変有効です。ただし歯科用CTで何を読み取ることが出来るのか、その技量は歯科医師によって大きく左右されます。CT撮影機を設置しているものの、あまり使う機会がない、また撮影しても説明がよくわからないと感じる場合、歯科医師の技量不足と認識してよいでしょう。

被爆量について

CTから受ける被爆量は、レントゲンと比べて若干多いでしょう。しかし放射線は自然界にも存在し、自然界から受ける被爆量の30分の1から100分の1程度と言われています。それほど気にしすぎることはありません。ただし妊娠している可能性のある女性は、診察時に必ず申し出てください。

また歯科医院で1年間に撮影するCTの回数は、1から2回くらいまでが望ましいと定義づけているところが多いようです。他の歯科医院や病院でCT撮影を行ったときは、歯科医師にその旨を伝えるようにして下さい。

CT撮影が必要な治療とその理由

精密な治療を必要とする症例において、CT画像はとても有効な手段です。では実際に、どのような場面でCT撮影が使用されるのでしょうか。

■インプラント手術前の精査
特にインプラント手術においては、顎の骨の位置やインプラント挿入角度と深さ、血管や神経の位置を精密に把握する必要があります。レントゲンでの平面的な画像だけでは神経までの距離を正確に測ることが難しく、顎の骨の厚みも把握できません。一方CTでは立体的に口腔内の状態が把握できるため、より精密なインプラント治療を行うことが可能です。インプラント治療を希望される方は、CT撮影を行っている歯科医院を選ぶほうが良いでしょう。

■歯根破折
歯の根っこが割れたり折れたりしている場合、レントゲン写真だけではわからないことがあります。レントゲン写真でははっきり写っていないが、歯根破折の疑いがあるときに歯ぐきを切開して確認することがあります。そこでもし歯根破折でなかった場合、患者様に対して余分な負担がかかり、余計な治療を行ってしまうことになってしまいます。CT画像なら、レントゲンに写らないヒビや破折を確認することができます。

■根管治療
根の治療は、歯科治療の中でもかなり治療頻度が高い症例です。レントゲンでも根の状態は確認できます。しかし歯の形態により根の構造が複雑な場合があり、細菌の取り残しや消毒がきちんと行えないことが起こる可能性も否定できません。感染源が残ってしまうと、根の先に膿が溜まり、歯ぐきが腫れてしまいます。CTなら立体的な画像により、複雑な根の構造も確認できるため、より精密で丁寧な根管治療が行えます。

■副鼻腔炎(歯性上顎洞炎)の判別
副鼻腔という空洞に炎症が起きる副鼻腔炎ですが、この炎症が歯による歯性上顎洞炎か、鼻が原因のものかどうかを判別するために、CT撮影が有効です。

■親知らずの位置確認
レントゲンでも親知らずの位置は把握できますが、神経や血管の通っている下顎は、抜歯により損傷する可能性がゼロではありません。CT撮影ならより正確に親知らずの位置や、根の場所を把握することができます。

矯正治療におけるCT撮影の必要性と、その理由とは
矯正治療におけるCT撮影の必要性と、その理由とは

ご紹介したように、歯科治療において非常に有効な情報を得ることができるCT撮影ですが、矯正治療においてはどうでしょうか。「矯正治療イコールCT撮影」はあまりピンとこないかもしれません。矯正治療にわざわざCT撮影は必要ないのでは、と思われる方も多いでしょう。しかしCT撮影により歯の位置関係、埋伏している歯の位置などを正確に把握できることは、矯正治療における歯の移動の予測にはとても大きなメリットを得ることができます。矯正治療にCT撮影を行い、より正確に矯正治療を進めていくことが出来ることが最大の理由です。

CT撮影でわかる矯正治療に必要な項目とは

ではCT撮影を行うことで、歯列矯正に必要な項目を具体的にお伝えいたします。

■埋伏歯の確認
まだ生えてきていない、歯ぐきの中に埋まっている埋伏歯を確認します。もし埋伏歯があった場合、歯列矯正の進み具合に影響が出ることがあります。この場合歯ぐきを切開し、埋まっている歯を引っ張り出す「開窓牽引」という処置が必要になるため、安全に治療を進めていくためにもCT画像での診断は必要なのです。

■永久歯の位置確認
お子さまの矯正治療にも、CTによる画像診断はとても役に立ちます。乳歯の下にある永久歯の位置や歯胚の有無を確認することにより、より的確な治療方針や計画を立てることが出来ます。

■親知らずの位置確認
歯列矯正では、親知らずを抜歯するケースが多々あります。レントゲンでももちろん位置は確認できますが、先ほども述べたとおり、下顎の親知らずは神経や血管を損傷するリスクがあり、抜歯には細心の注意を払う必要があります。そのためにCT撮影を行い、より正確に把握しておくと、患者さまにも安心して治療を受けていただけます。

■顎関節の状態確認
歯列矯正は、歯を綺麗に並べることだけが目的ではありません。歯並びを整えることは、噛み合わせを正しく導くことを真の目的としています。いくら歯並びが美しくなっても、噛み合わせが整っていなければ、顎関節症などを引き起こしてしまう可能性があるのです。
CT撮影で、顎関節の状態を把握し、噛み合わせがきちんと整っているか、問題はないか、また顎関節症の治療の必要はないかなどを確認します。

これ以外にも、先天性欠損歯や過剰歯などの有無についても、CT撮影により正確に把握することができます。口腔内の状態を正確に得ておくことで、より確実に矯正治療を進めていくことが可能なのです。

信頼できる歯科医師のもとで、良い治療を受けること

CT撮影は、お口の中の状態をより精密に把握するための優れた方法です。しかしCT画像で状態を的確に読み取る技量は歯科医師により大きく差が出てきます。またレントゲンだけでも十分精査出来る症例も多く、CTとうまく使い分けることで患者様の負担をより軽減することができます。

まずは信頼できる歯科医師との出会いです。特に歯列矯正は、歯の並びだけを治すのではなく、噛み合わせ、そして顔貌とのバランスがとても大切です。良い治療結果を得るためにも、歯科医院選びは慎重に行いましょう。

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