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矯正歯科
2017.10.19

唾液の種類と唾液腺の仕組み|虫歯や口臭を減らすために

はじめに

一日の内に、人の口腔内では500mlから1500mlの唾液が分泌されると言われています。これほどまでに多く分泌されている唾液は、実はむし歯予防や口臭予防にも役立ちます。ここではまず唾液の種類や唾液腺の仕組みを知り、どのようにむし歯や口腔内のトラブルの予防と関係があるのか見てみましょう。


唾液の種類と唾液腺
唾液の種類と唾液腺

唾液の性質には二種類あります。漿液(しょうえき)性と粘液(ねんえき)性です。さらに漿液性と粘液性の両方を合わせた混合性の唾液があります。この二種類の唾液の違いを簡単に言うと、漿液性唾液はサラサラ、粘液性唾液はネバネバしていることです。

唾液腺はそれぞれの大きさや分泌量の違いなどから大唾液腺と小唾液腺に分けられます。大唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下線の3つで、小唾液腺は口唇腺、頬腺、口蓋腺、臼歯腺、舌腺の5つです。小唾液腺は口の中の粘膜の下にあります。大唾液腺のうち耳下腺は上の奥歯の根元のあたりにあり、顎下腺は顎のうら、舌下腺は舌の付け根の部分にあります。

また、それぞれの唾液腺からどの種類の唾液が出るかはあらかじめ決まっています。耳下腺から分泌されるのは漿液性、顎下腺と舌下腺から分泌されるのは混合性、つまり漿液性と粘液性が混ざった唾液です。安静時で耳下腺から全体の20%、顎下腺から75%、舌下腺から5%が分泌されています。しかし食べ物により味覚や嗅覚が刺激された時などは耳下腺の分泌量が増加し、50%以上になる仕組みになっています。

唾液腺に起こり得る疾患

唾液腺に関わる疾患は、その疾患により好発部位が異なります。ある特定の唾液腺に頻発して起こる疾患も多いので、唾液腺がどこにあるかだけでなくどんな疾患があるのかについてもさらに知識を深めていきましょう。ここでは一部の疾患のみしかご紹介できませんが、もしこれらの症状があったり問題を感じたりするなら、早いうちに口腔外科を受診するのがよいでしょう。

■唾液腺炎
主に細菌性、自己免疫性、ウイルス性、アレルギー性の4つに分類されます。さまざまな原因で唾液腺炎が起こり得ます。細菌性唾液腺炎は唾液の分泌が少なくなってきた時に発症しやすいもので、口の中に常在している細菌が唾液腺の開口部から唾液腺の中へ侵入して、炎症を起こします。急性の細菌性唾液腺炎では唾液腺に痛みあるいは腫れが生じ、唾液が出る穴の管から膿が出たりします。慢性の細菌性唾液腺炎は唾液腺が硬くなることで、唾液の分泌が低下します。治療法としてはうがい薬を使用し口腔内の浄化を助けることや抗菌薬の投与などがあります。

ウイルス性唾液腺炎で代表的なものには流行性耳下腺炎があります。俗に言うおたふくかぜ、と聞けばピンと来るかもしれません。発熱や全身の倦怠感などの症状があります。ムンプスウイルスという名前のウイルスの感染が原因で、一度かかれば体内に免疫ができてその後かかることはありません。子どもが感染することが多く2週間から3週間の潜伏期間を経た後に発症します。解熱薬の投与と安静、うがいなどで治していきます。

■唾石症
唾液の石と書く字のごとく、唾液腺の中や導管と言って唾液が出る管の中に石ができる疾患です。ほとんどが顎下腺に生じるというのが唾石症の特徴です。唾石は小さいものでは砂粒大ほどから、大きいものでは数センチに及ぶものもあります。唾石ができる原因は導管の炎症、唾液の停滞、唾液の性質の変化などがあります。ものを食べている間だけでなく食べようとした時にも顎の下に激しい痛みが生じます。顎下腺のある顎の下の部分が腫れることもあります。

しばらくすると少しずつ痛みなどの症状が消えていくのも唾石症の特徴です。小さい唾石であれば唾液腺の開口部の穴から自然に流れ出てきてくることもあります。もし導管部に唾石があるなら口の中から切開して唾石を取り出せるかもしれません。唾液腺の中にできた唾石の場合はその腺体ごと摘出します。

■唾液腺腫瘍
唾液腺に生じるこぶのようなものが実は腫瘍だったということがあります。唾液腺腫瘍は耳下腺が最も多く、その次が顎下腺と小唾液腺で、舌下腺に生じるのはごくまれであるという報告があります。唾液腺に生じた腫瘍は全体的に良性腫瘍が多いのですが悪性腫瘍であることもあり、中でも舌下腺に生じた場合は悪性腫瘍が多くなります。

唾液腺の良性腫瘍は痛みや神経麻痺がないのが特徴です。境界がはっきりしていて、早めに手術して摘出します。悪性腫瘍である場合は、痛みや神経麻痺などの症状が腫瘍の病状の進行にともなって大きくなっていくのが特徴です。高齢者に多くみられ、耳下腺に生じた悪性腫瘍の場合は耳の前の部分の痛みや顔面神経の麻痺などの症状があります。顎下腺や舌下腺に生じた場合は舌の痛みや神経の痛みなどの症状が出ます。治療時には手術により腫瘍を摘出することが必要です。放射線治療や化学療法を併用していくケースもあります。

いい唾液でむし歯や口臭を減らせる?
いい唾液でむし歯や口臭を減らせる?

唾液の量や性質は、むし歯になりやすいかどうかに影響する大きな要素です。実は唾液の量が少ない、また唾液がネバネバしているとむし歯になりやすいのです。唾液には本来、口の中の酸性を中和する働きがあるので、唾液が少ないと口の中を十分に中和できません。

またネバネバした唾液は口の中を洗い流すことができず、細菌が停滞し繁殖しやすい状態を作り出してしまいます。これと同じ理由で口臭も生じ、悪化が予想されます。むし歯と口臭予防のためには、唾液の質をサラサラなものに変え、良い唾液を作ること大切です。それでは良い唾液を作り出せるのでしょうか。

サラサラな唾液を作るのに良いのはガム法やだし昆布法などです。噛んで丸めたガムを舌の上にずっと置いておく、または小さく切っただし昆布を舌の上でゆっくり溶かす方法です。この方法は口の中に異物があると耳下腺が刺激され、耳下腺からはサラサラな唾液が分泌されるという原理を応用しています。この結果、唾液をたくさん分泌されるように促し、また唾液の質もサラサラものへ変えることができます。

まとめ

唾液の種類や唾液腺の仕組みを知ることは、むし歯や口臭の予防法を知ることにもつながります。矯正中の人は今もむし歯や口臭に悩まされているかもしれませんが、唾液という角度からのアプローチで口のトラブルを解消するように試してみてはいかがでしょうか。

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