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矯正歯科
2017.10.22

智歯周囲炎とは?|のどの痛みと親知らず

はじめに

親知らずが痛む原因の一つに、「智歯周囲炎」という症状があります。智歯周囲炎は親知らず周辺の痛みとともに、のどの痛みなども引き起こすことがあります。のどの痛みを引き起こすこの知歯周囲炎について、詳しくご説明します。


炎症を起こしやすい親知らず
炎症を起こしやすい親知らず

親知らずは別名「智歯(ちし)」と呼ばれ、親知らず周辺が腫れて炎症を起こすことを「智歯周囲炎」と言います。親知らずはいちばん奥に生えるため、ブラッシングがとても行いにくく、虫歯や細菌感染のリスクが非常に高い歯です。また生え方にも問題があることが多く、智歯周囲炎を引き起こしやすくなります。

特に真っ直ぐに生えていない、斜めに生えている、または半分だけ顔を出している生え方に、智歯周囲炎が起こりがちです。親知らずがきれいに生えている場合はブラッシングもまだ行いやすいですが、よくある生え方で、親知らずが歯ぐきから半分だけ顔を出している生え方は、歯と歯肉の隙間に汚れが入り込んでしまいます。

そして入り込んだ汚れに細菌が繁殖することで、歯ぐきの周りに痛みや腫れなどの炎症を起こしてしまうのです。このように、智歯周囲炎はブラッシングの毛先が届きにくく、汚れが残ってしまいやすいことが原因です。また、疲れやストレスが溜まったとき、肩凝りがひどい時にも智歯周囲炎が起きることがあります。

抗生物質を服用し、しばらくすると炎症が治まることがありますが、何度も繰り返してしまう傾向があります。親知らずが生えている状態で歯列矯正を行っている方は、特にブラッシングが難しく、智歯周囲炎になる可能性と隣り合わせの状態であると言えます。

智歯周囲炎の症状とは

智歯周囲炎の主な症状は、歯ぐきの腫れや出血などです。しかしそれ以外にも口臭やのどが痛いなど、様々な症状が出ることがあります。

■口臭がきつくなる
親知らず周囲の歯ぐきの隙間に汚れが溜まり、そこに細菌が感染することで不衛生になって口臭がきつくなります。また炎症を起こした部分に膿が溜まることでも口臭が強くなることがあります。

■奥歯に感じる鈍い痛み
奥歯で噛んだとき、痛いと感じることがある場合、生えてきた親知らずが、対合の歯ぐきに当たって痛みを感じることがあります。

■のどの痛み
つばを飲み込んだときなどにのどが痛いと感じることがあります。通常は風邪によるのどの痛みだと考えるでしょうが、実は親知らずが原因でのどに痛みを感じることがあります。親知らず周囲の歯ぐきが腫れ、同時にのどが痛い場合、早急に歯科医院で診察を受ける必要があります。次に、智歯周囲炎によるのどの痛みをそのままにしておくことで引き起こされる症状をご紹介します。

そのまま放置すると、最悪な結果が引き起こされることも

「のどの痛みは恐らく軽い風邪だろう」とそのままにしておくと、細菌感染が親知らず周囲だけでなく、顎の骨やのどの周辺まで広がり、最悪の場合、呼吸困難を引き起こすことがあります。細菌が親知らず周囲の歯ぐきからのどへ広がると、のどに痛みを感じます。

やがて感染があごにまで広がり、口が開きにくくなります。腫れている親知らず側の頬が腫れ、口を開けようとすると激痛が走ることがあります。さらに症状が進むと、頬が腫れ顔全体に痛みを感じます。やがて口の中や顔面だけでなく、炎症が体に及ぶと、40度近い発熱、・倦怠感など、風邪をひいたときのような症状が出てきます。このように全身に症状が出ると、ほとんどの場合入院となります。

最悪な結果を引き起こすケースと言うのは、炎症が扁桃腺やリンパ節にまで広がり、重篤かすることです。扁桃腺が腫れると気道が塞がれることがあります。稀なケースではありますが、炎症が心臓にまで達してしまった場合、急性心筋炎を起こし、心肺停止することもあります。

親知らずの炎症が、適切な処置を放置することでここまで重症化してしまうことがあります。「たかが親知らずの腫れ」、と軽視せず、早い段階で歯科医院を受診することが大切です。

親知らずが腫れ、のどが痛い場合の自宅での応急処置
親知らずが腫れ、のどが痛い場合の自宅での応急処置

親知らずが腫れ、のども痛いのにすぐに歯科医院を受診できないときは、自宅でどのような応急処置を行うとよいのでしょうか。

■痛み止めを飲む
とりあえず、親知らずの痛みを和らげることが先決です。市販の痛み止めでも構いませんので、痛み止めを服用して痛みを和らげましょう。

■親知らずの周りを清潔に保つ
智歯周囲炎はブラッシングを行いにくいために細菌が溜まり、歯ぐきに炎症が起こります。普段からできる限り丁寧にブラッシングを行っておく必要がありますが、親知らずの歯みがきはとても難しいのです。そこで是非使っていただきたいのが、「ワンタフトブラシ」です。

毛先が小さな山になった特殊な形状で、歯をピンポイントで磨いたり、一本一本丁寧に磨いたりするときに重宝します。ワンタフトを使えば、親知らず周辺の歯ぐきに溜まった汚れも比較的落としやすく便利です。また前歯の裏側のブラッシングも、このワンタフトなら比較的磨きやすいでしょう。ワイヤー矯正を行っている方は、ブラケットやボタンの周り、歯並びが悪い部位などに使うと綺麗に汚れを落とすことができます。

そしてできるだけデンタルフロスも使うようにして下さい。フロスは歯と歯の間の汚れを掻き出す働きがあります。親知らずは最奥のためフロスを通しにくいですが、持ち手の形状が工夫されたフロスなら使いやすいかもしれません。

歯ぐきが腫れていると、ブラッシングのときに痛みを覚え、出血する可能性がありますが、智歯周囲炎は歯ぐき周りの汚れが原因です。汚れをきちんと落とすことを考えて血が出ることを怖がらず、マッサージするような感覚で磨くと良いでしょう。

■うがい薬でお口の中を殺菌し、清潔に保つ
市販のうがい薬は殺菌作用があり、抜歯のあとなどによく処方されます。口腔内を清潔にして、細菌の繁殖を抑えましょう。口臭も軽減されます。

繰り返しやすい智歯周囲炎は、最終的に抜歯することが多い

智歯周囲炎になった場合、歯科医院で行われる治療は親知らず周りの汚れを、機械を使って綺麗に取り除き、消毒をしたあと抗生物質を処方されることが一般的です。しかし智歯周囲炎は何度も繰り返しやすい病気のため、そのとき一旦治っても、また繰り返すことが多く、そのたびに痛みや不快感で悩まされる方も多いでしょう。

根治を目指すなら、抜歯です。何度も智歯周囲炎に悩まされる方や、歯列矯正を行っている方で親知らずが生えている方は、抜歯することで症状は出なくなります。なお抜歯は、親知らずの歯ぐきが炎症を起こしているときは行いません。腫れや痛みが落ち着いてから抜歯を行います。

のどが痛いと感じたら、早めに歯科医院へ

親知らずの歯ぐきが炎症を起こすことで、のどの痛みを感じるなど様々な症状を引き起こす智歯周囲炎は、放置することで思わぬ事態になってしまうことがあります。「たかが親知らずの痛み」、とそのままにせず、親知らずが痛いときは、早めに歯科医院を受診するようにして下さい。

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