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矯正歯科
2017.10.28

歯が生えてこない!埋伏歯のリスクと治療法について

はじめに

生えてくるはずの歯が正常に生えてこない状態を埋伏歯と呼びます。このように、歯の生え方にトラブルを抱えている方は多く、放置により様々な問題を引き起こす可能性も少なくありません。そこで今回は、埋伏歯がもたらすリスクや治療についてご紹介しましょう。


埋伏歯の種類について
埋伏歯の種類について

埋伏歯とは、萌出すべき歯が顎の骨や粘膜に埋まって正常に生えてこない状態を言います。歯の埋まり方には特徴があり、完全に埋まった状態を「完全埋伏歯」、一部が顔を出しているものを「不完全埋伏歯」もしくは「半埋伏歯」と呼びます。

乳歯が埋伏歯になる確率は低いと考えられ、生え替わりの時期に永久歯がなかなか生えてこないことで異常に気づくケースも少なくありません。特に、埋伏歯になりやすいと言われる親知らずは、顎の発達が不十分で歯が生えるスペースが確保されにくいこともあり、完全に埋まった状態で真横に生えている「水平埋伏智歯」や、隣接歯を圧迫するような形で斜めに生えてくることも多いと言われています。

症状がなければ、埋伏歯を意識することも少ないでしょうが、斜めに生えてくるような「不完全埋伏智歯」では、虫歯や炎症のリスクも高まり、周囲の歯周組織にも悪影響を及ぼす可能性があります。その他にも、上顎の前歯や犬歯も萌出トラブルの確率が高い歯として知られています。

歯が生えてこない…考えられる原因

食生活の変化により、柔らかい食べ物を好んで摂取したり、よく噛まずに飲み込んだりする子供が増えてきていると言われています。顎は、十分な咀嚼により成長を促すと考えられているため、噛む回数が少ないと未発達となり、永久歯の生えるスペースが狭くなることで埋伏歯が生じる原因になる場合もあります。

さらに親知らずは、加齢とともに歯根が顎の骨と癒着しやすい傾向にあると言われ、萌出の妨げになっているケースもあります。その他にも、乳歯が邪魔で生えてこない、歯の形や大きさの異常、骨や歯ぐきの肥厚等が挙げられます。

また、生まれつき歯が存在しない「先天性欠如」の可能性もあります。何らかの原因で歯胚(歯と歯周組織のもとになる細胞)が形成されなかったため、生えるべき時期になっても生えてこない状態を指します。歯胚の位置が正常よりずれてしまうことも、埋伏歯になる原因のひとつとして考えられています。

これらは、決して珍しいことではありませんが、多くの埋伏歯が確認された場合は先天的な異常や遺伝によるもの、栄養障害などが疑われる場合もあります。まずは、レントゲン撮影により永久歯の有無や埋伏歯の状態を確認し、適切な治療を受けましょう。

埋伏歯とトラブルの関係

埋伏歯は、必ずしもトラブルの原因になるわけではありませんが、放置することで大きな問題に発展する可能性もあるため、早期発見、早期治療が重要なポイントです。代表的なトラブルをまとめましょう。

■虫歯や歯ぐきの炎症
親知らずが半埋伏歯の場合は、歯ブラシが届きにくいため歯垢の付着が目立ち、虫歯や歯周病の悪化を招く恐れがあります。放置してしまうと、隣接する歯にも影響を及ぼす可能性があります。半埋伏智歯を確認したら、早めに歯科医師の診断を受けましょう。

■不正咬合の原因
埋伏歯があることで、正常に生えるべき歯の萌出を妨げてしまうことがあります。隣接する歯の根を吸収するケースや、周囲の歯全体を押しながら移動させてしまうことも指摘されています。これにより、本来生えるべき場所からずれてしまったり、萌出が遅れたりすることで不正咬合のリスクが高まると考えられています。

■含歯性嚢胞
親知らずが完全に埋まっている場合、含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)を発症するリスクがあると言われています。レントゲンで確認すると、埋伏している親知らずの歯冠を包むように嚢胞が形成されているのがわかります。初期は自覚症状が少なく、レントゲン撮影により発見されることも多いようですが、静かに骨吸収しながら成長し、放置によって周囲の神経を圧迫したり、隣接歯の骨吸収を引き起こしたりする可能性があるため、適切な治療が必要です。

埋伏歯の治療法について
埋伏歯の治療法について

埋伏歯があることで隣接する歯や歯周組織にトラブルを招くような場合は、状況に応じた治療を施す必要があります。一般的な治療には、矯正による牽引誘導や抜歯などが挙げられます。まずは、レントゲン撮影により状態を確認することが大切です。

■矯正による治療
本来、生えてくるべき歯が埋伏歯の場合は、矯正により引っ張り出す治療法があります。たとえば、特に埋伏する傾向が強いと言われる上顎の前歯や犬歯では、萌出する気配がなければ歯ぐきを切開し、埋まっていた永久歯の頭を出して矯正装置を付けます。完全に顎の骨に埋まっている場合は、埋伏歯に到達するまで骨を削って装置を付けることもあります。隣接する歯も同様に矯正装置を取り付けたらゴムやワイヤーをかけ、矯正力を利用しながら埋伏している歯を牽引誘導します。

治療にかかる期間は症例により様々です。また、牽引しただけでは噛み合わせが正しい位置になるとは限りません。そのため、歯並びを整えるための矯正が必要になるケースもあります。

■抜歯による治療
親知らずは正常に生えてこないことも多く、虫歯や歯周病、不正咬合などのトラブルに繫がる可能性もあるため、特に不完全埋伏智歯の場合は、抜歯の対象になることが多いようです。
抜歯の手順として、まずはレントゲンにて親知らずの位置を確認する必要があります。斜めに生えているような場合は、ヘーベルと呼ばれる器具を用い、テコの原理で歯を骨から脱臼させて引き抜く方法があります。

真横に生えた水平埋伏智歯の場合は、歯ぐきを切開しただけで抜歯をすることは困難なため、歯冠を分割しながら親知らずを引き抜くスペースを確保する必要があります。その後、ヘーベルや鉗子を使い、無事に抜けたら傷口を縫合し止血します。
場合によっては、骨を削りながら抜歯する難易度の高い治療になることもあるため、知識と経験のある口腔外科で治療を受けるとよいでしょう。

おかしいと思ったら、まずは歯科医師に相談

埋伏歯は、問題がなければ経過観察で良い場合もありますが、知らぬ間に周囲の歯に悪影響を及ぼす可能性があると覚えておいた方がいいかもしれません。矯正するにしても抜歯にしても、早期発見、早期治療が予後にも関係するため、定期的な歯科でのメンテナンスは必要不可欠と言えます。自己判断せずに、気になることは歯科医師に相談するよう心がけましょう。

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