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矯正歯科
2017.11.4

歯の大きさ・長さが違う場合の治療について|矯正治療で治せない?

はじめに

ふと自分の歯を鏡で見てみると、あきらかに他の歯と比べて大きさや長さが違う歯があったりするという方も多いのではないでしょうか。歯並びには特に問題はないものの、他の歯と比べて大きさや形が違う歯があることで歯並びが気になってしまっている方も少なからずいらっしゃると思われます。そこで今回は歯の大きさや長さが違う原因と、それに対する治療法についてご紹介していきます。


歯の大きさや長さが違う原因
歯の大きさや長さが違う原因

歯にはひとつひとつ役割があるために解剖学的に言って歯の大きさや長さはある程度決まっていることがわかっています。またその並び方も顔の中心線上にある「正中」というラインから1番目の前歯があり、その隣には2番目の前歯というように必ず並び方にも順番が決められています。

そのため、まるで鏡に映したかのように左右均一に自然と並ぶようになっており、これに歯の長さや大きさもそろうことで非常に見た目の良い歯並びになるのです。しかし、何らかの理由で全体と比べるとあきらかに大きさや長さが違う歯が存在すると、そのバランスは簡単に崩れてしまいます。

そういった原因により、歯並びが悪い以外の理由であまり見た目が良いとは言えない歯並びになってしまうケースもあるのです。では歯の大きさや長さが違う歯が出てきてしまう原因にはどういったものがあるのでしょうか。

■矮小歯がある
最初にご紹介したように、すべての歯にはその歯の役割によって形や大きさがある程度決められているものです。しかしまれに本来の大きさと異なる状態で歯が生えてきてしまうケースがあり、それを「矮小歯(わいしょうし)」と呼びます。
「矮小歯」とは、他の歯と比べると見るからに形が細くとても小さな状態の歯のことを指します。

なぜこの「矮小歯」が生えてくるのかその原因はまだ特定されておりませんが、ひとつあることがわかっています。それは「矮小歯」となって生えてくることが多いのは、前から2番目にある前歯で「側切歯(そくせっし)」と呼ばれる歯と、「親知らず」の2本の歯であるということです。

これらの歯はあまり具体的な役割が決まっておらず、存在していてもしなくても全体的にあまり影響することのない歯として捉えられています。また前歯付近によく見られることが多い「過剰歯」もまた、この「矮小歯」の状態で出現することが非常に多いことがわかっています。

そういった理由から、「矮小歯」はあまり必要とすることがない歯の退化現象ではないかという説が有力とされています。

■歯ぐきの状態が異なる
全体的な歯の形は統一的であるにも関わらず、一部の歯の長さが違って見えるためにあまり見た目の良い歯並びではなくなってしまうことがあります。そういった場合は歯ぐきの状態に原因が潜んでいる可能性が高いと言えます。まずそのチェック方法として、全体的な歯並びの先端を確認します。

一本でも歯の先端がずれている歯がなく、すべての先端がラインのようにそろっているにも関わらず長さが違う歯が存在している場合、歯ぐきの状態が原因と断定できます。
また、歯が大きく長く見える歯は、歯ぐきが痩せてしまっていることが原因であり、歯が小さく短く見える歯は、歯ぐきが腫れて必要以上に歯を覆っていることが原因です。
これらの場合、歯ぐきの治療を行うことできれいな歯並びに改善できると言えます。

歯の大きさと長さをそろえる方法
歯の大きさと長さをそろえる方法

ここでは大きさや長さが違う歯を治療する方法をご紹介していきます。

■歯ぐきの切除
歯ぐきが腫れて必要以上に歯を覆い隠しているために小さく短い歯がある場合、これを改善する方法として「歯ぐきの切除」があります。おもにレーザーを使用して歯を覆っている歯ぐきを取り除いていき、他の歯の歯ぐきと同じ状態に近づけていく方法です。
少々痛みが伴う場合がありますが、軟膏や痛み止めの薬などで対処することが可能です。

■外科治療による歯ぐきの整形
歯周病や誤った歯磨きの仕方などが原因で歯ぐきが痩せてしまい、それが原因で歯が大きく長く見えてしまう場合は「外科治療による歯ぐきの整形」があります。これは痩せた歯ぐきを外科治療によって再生させる治療であり、非常に劇的な変化を期待することができます。

その治療とは、一部の歯ぐきの組織を採取してそれを移植することで痩せた歯ぐきを再生させる方法です。この治療を「遊離歯肉移植」と呼びます。具体的な治療法としては、上顎の口蓋部分の歯ぐきを採取し、それを歯ぐきが痩せている歯に移植して縫合をし、そのまま組織が一体化するのを待つというものです。

同じ組織を使った移植治療であるために失敗は少ないものの、外科治療ゆえの出血や痛みが伴うことがひとつのデメリットとなります。

■外科治療以外の歯ぐきの整形
痩せてしまった歯ぐきを外科治療で治すことにあまり積極的でないという方は、あまり痛みを伴わない方法で治療することもできます。そのためここでは外科手術を伴わない治療法をご紹介します。

まずは歯周病の治療である「歯周再生治療」です。この治療法には「エムドゲイン法」と「GTR法」という2種類の方法があります。「エムドゲイン法」は、歯周組織の再生を促すことができる特殊なタンパク質成分を注入して歯ぐきを取り戻す方法です。

「GTR法」は、「メンブレン」と呼ばれる人工膜を歯周ポケットに入れて歯槽骨が再生できるように誘導し、おもに自然治癒力を活用して歯ぐきを取り戻す方法です。どちらも歯周病治療の一環として行われるものであるため、ただ歯ぐきを取り戻すだけでなく歯周病の予防も行わなくてはいけない条件があります。

また歯ぐきを整形する外科治療とは異なるため、歯ぐきのラインを統一する治療としては不向きになります。次に「ヒアルロン酸注入」という治療法です。ヒアルロン酸の注入は皮膚のしわやたるみを改善する美容治療や、膝の関節痛の治療にも使われている多様性のある治療法です。

この場合では歯科用に改良したヒアルロン酸を歯ぐきに注射し、ヒアルロン酸の保水力を利用して歯ぐきを再生させる方法です。外科治療と比べると痛みや腫れを伴うことがあまりなく、またもともと体内にある成分を利用している治療であるため副作用が出るリスクも極めて低く安全と言えます。

よって外科治療を受けたくないという方はこちらがおすすめです。ただし外科治療と比べると歯ぐきが劇的に変化するわけじゃなく、治療に長い期間を要することと、期待したように歯ぐきが戻らない可能性があることに注意が必要です。

■補綴物を作る
もし歯ぐきの状態に問題はなく、一部の歯の大きさや形が異なるために歯並びの見た目が良くないといった場合、「補綴物を作る」という方法があります。歯に被せ者を作ることで歯の形を劇的に変えることができ、わずかな期間で歯並びに統一感を持たせることができます。

ただし治療を行う歯のなかにまだ神経が残っている場合、被せ物を作るために歯を削ろうとすると強い痛みやしみる症状が伴う可能性が高くなります。そういった場合は歯の神経を取る治療を行い、被せ物を作るか歯の表面にのみ被せ物をつける「ラミネートベニア」を選び、歯への負担を少なくするという方法もあります。

■抜歯と矯正をする
はじめにご紹介した「矮小歯」があるために歯並びの見た目が良くない場合は、「矮小歯」を抜歯してその後、矯正治療を行ってから、歯並びを整えるという方法があります。
「矮小歯」はその大きさから歯としての機能をあまり有しておらず、抜歯をしても全体の歯への影響は非常に少ないと言えます。

また抜歯をしたあとの歯並びの変化も少ないため、わずかな矯正のみで歯並びのバランスを整えることも可能です。ただし、全体の歯の状態によっては歯の数をそろえたり、あるいは噛み合わせの変化などが理由で他の歯の抜歯も必要になったり、大がかりな矯正が必要となることもあります。矯正治療だけでは治療は困難です。

歯の大きさや長さが違う歯を矯正治療で改善しようとする方も一部にはいらっしゃるようですが、歯ぐきの状態や矮小歯が絡んでいる場合は非常に難しいと言えます。

ただし、一部の歯の先端が磨り減っていたり、先端が長く伸びだしていたりする場合は、矯正治療と歯を少し削る方法で対処できるケースもあります。もっとも重要なのは、歯の大きさや長さが違う原因をしっかり把握し、適切な処置を行って歯並びをきれいにするということです。

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