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矯正歯科
2017.11.25

親知らずが生えてこない理由は?

はじめに

乳歯の生え代わりが終わり、全部の歯が永久歯になってから生えてくることがある「親知らず」。これが生えてこない人が非常に増えてきています。そのため現代では親知らずがしっかり生えている人の方が珍しくなってきていますが、なかには親知らずが生えてこないことを異常と思う人がいるようです。

またそれにより親知らずが生えてこないことに不安を覚えてしまう人もいるようです。そこで今回は、親知らずが生えてくる人と生えてこない人の違いやその原因についてご紹介したいと思います。


親知らずが存在する意味
親知らずが存在する意味

そもそも親知らずは他の歯と比べると特殊な歯と言えます。すべての永久歯は体の成長(顎の骨格の成長)とともに生えてくるのに対し、親知らずだけは体の成長が終わろうとするタイミングで生えてくるからです。

また歯は親知らずを除く28本が生えそろっていれば食事に差し支えることはありません。そのため親知らずがあってもなくても特に食事に影響することはないのです。では何故、親知らずという歯は存在しているのでしょうか?その理由は遠い昔の人類の食生活にあるとされています。

■古代の人類の食生活
我々はいくつもの調理方法によってどんな食材も加工して食べることができます。しかし大昔の人類には今のような調理方法はありませんでした。そのため食材を焼いたり煮たりすることができなかった頃の人類の食事は、木の実を硬い状態のまま噛み砕いたり、動物の生肉を噛みちぎって食べるなどしていたそうです。それにより酷使した歯は次第に磨り減っていくため、それを防ぎ他の歯の負担を減らすために親知らずというもう一本の歯が存在していたとされています。

また食べ物が硬い物ばかりだった大昔は人類の顎が今よりも非常に発達していたそうです。そのため親知らずが生えてこないということはなく、逆に親知らずが生えてこない方が珍しいことでした。その後、進化の過程で食材を焼いたり煮たりする調理の知恵が生まれはじめると、それに伴い人類はあまり硬い物を食べなくなっていきます。そうすると顎の発達も必要なくなっていったため、それにより親知らずが生えてくるスペースもなくなっていったのです。

なぜ親知らずが生えてこない?

親知らずが生えてこなくなってしまった大きな原因は、食材の調理や加工技術が発達し、逆に顎が発達する必要が無くなったためとされています。つまり顎が小さくなってきたことで親知らずが生えてこられなくなっていったということであり、親知らずそのものはまだなくなったわけではないのです。

そのため歯科医院でレントゲンを撮ると、生えてくるスペースがないために顎のなかに埋まっている親知らずの存在を確認できるケースが多いです。また何らかの理由で突然親知らずが生えてくることもありますが、そうするとおおよそが顎のスペース不足のためにしっかり生えてくることができません。

そうなると親知らずが歯として機能できず、歯ブラシが届きにくいところに生えてきてしまうこともあり、あっという間に虫歯や歯周病になってしまいます。そのため親知らずが生えてきたとしても、それがまっすぐ生えてこないことが確認できたらなるべく早く抜歯することを勧めています。そうしなくては親知らずから侵入した雑菌が心臓まで入り込み、それが原因で心臓疾患を引き起こしてしまうおそれもあるためです。

また親知らずは存在するものの、全く生えてくる気配がない状態を放置することもおすすめしません。親知らずを抜かずに何年も放置すると親知らずが顎の骨と癒着することがあり、いざ抜こうとしてもうまく抜けなくなってしまうこともあるためです。
もし親知らずが生えていなくてもその状態で痛みや違和感が出た場合は、なるべく早く親知らずを抜くことをおすすめします。

親知らずそのものがなくなってきている
親知らずそのものがなくなってきている

顎のスペースが足りずに親知らずがしっかり生えてこられないことが多い反面で、近年では親知らずそのものがなくなってきていることも確認されています。そういった人はレントゲン撮影をすると親知らずがあるべき場所に歯がなく、人によっては1本親知らずがなかったり、あるいは2本なかったりとパターンはさまざまです。

また他の歯と比べると異常に歯のサイズが小さい「矮小歯」という状態で親知らずが存在するケースも増えてきています。ちなみにこれは病気や体の異常ではなく、遺伝によるものとされています。親にもともと親知らずがなかった場合、その特徴が子供にも受け継がれて親知らずがないというケースが多く、また子供の代から突然親知らずがなくなることもあります。

しかし何故親知らずがなくなりはじめたのか、その具体的な原因は解明されていませんが、一説には人類の進化によるものとされています。もともと親知らずが生えてこないことが多くなっているために、親知らずそのものが体には不要なものとして最初から存在しなくなってきているとされています。そのためさらに時代が進むと、今度は親知らずがある人が珍しいという傾向になっていくと思われます。

親知らずは基本的に不要な歯

食事においてあまり顎の力を必要としなくなってきている現代では、親知らずは基本的に不要な歯とされています。遠い昔に比べ、顎が小さい現代の人たちは親知らずがなかなか生えてこられず、またそれが原因で虫歯や歯周病のトラブルになり抜歯する必要が出てくるためです。

しかしまれに親知らずを失った歯の代わりとして移植治療に使うこともありますが、そのためには親知らずが最適な大きさや形である必要もあります。そういった背景から親知らずがないことは治療の必要性が無くなることにつながっていくため、むしろ良いこととしてとらえられることが多いのです。よって親知らずがないことに不安になる必要はあまりなく、逆にラッキーと思っていただいた方が良いと言えます。

親知らずは急いで抜かなくても大丈夫
親知らずはなるべく早く抜いたほうが良いことは確かですが、まだトラブルになっていない前に急いで抜いてしまおうとする必要はありません。その理由は、親知らずはその存在する場所が原因で抜歯をしようとすると治療が難しくなることも多いためです。それは場合によって入院施設がある病院で治療を行う必要が出てくることもあるくらいです。

トラブルになっていなければむやみに抜こうとせず、安静にさせておくこともひとつの選択ですので、焦って抜こうとしないようにしましょう。また矯正治療においても親知らずの存在が重要となることがあるため、矯正に伴い親知らずの存在が気がかりになった場合は事前に相談するようにしましょう。

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