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矯正歯科
2017.12.1

認知症と歯の関係|歯列矯正が歯周病予防となる?

はじめに

健康で長寿を目指す私たちにとって、認知症は最も気がかりな課題のひとつです。認知症予防のために、早いうちから栄養や運動、趣味など対策を心がけておられる人も多いのではないでしょうか。

そんな中、見逃せないのが「歯周病と認知症には深い関係がある」という事実です。一体どのような関係があるのでしょうか。また、認知症の一因となる歯周病を確実に予防するにはどうすればよいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。


歯周病と認知症の知られざる関係とは?
歯周病と認知症の知られざる関係とは?

歯周病とは、歯ぐきや歯槽骨などの歯を支える組織が細菌に侵されて炎症を起こす病気です。初めのうちは自覚症状がないのですが、病気が進むと歯を支える骨が少なくなってしまうため、歯の根が浅くなり、歯がグラグラして最後には抜け落ちてしまいます。

一方、認知症とは年齢とともに脳の細胞が死んでしまい、脳の働きが悪くなる病気です。

食べ物を噛むという行為には、消化するために食べ物を小さくする以上の意義があることが、最近の研究で明らかになっています。例えば脳波の測定により、食べ物を噛むことで脳が刺激され、脳が覚醒して活発になることがわかっています。この効果は、単に噛むような動作をすることでは得られず、実際に食べ物を噛む時に得られるようです。

また、歯が少ない、あるいは歯がないことにより、十分な栄養が取れないことも、間接的に脳への悪影響を及ぼしかねません。

厚生労働省の研究班が健康な高齢者4425名のデータを追跡・分析した結果、歯の数が少なければ少ないほど、認知症発症者の割合が高いことが明らかになりました。自分の歯が20本以上ある人に対し、歯がほとんどなく義歯もいれていない人の認知症発症リスクは1.9倍という結果が出ています。(http://www.ganshi.jp/sp_zenshin1.htm)

これと一致して、アメリカで144人の高齢のシスターを12年間追跡・分析した結果、認知症になる確率は、歯が9本以下の人は10本以上の人よりも2.2倍高かったということです。(http://toyokeizai.net/articles/-/121713)

歯を失えば失うほど、認知症にかかるリスクが高くなることがおわかりいただけたのではないでしょうか。では、人はなぜ歯を失ってしまうのでしょう。一般的には、虫歯が原因で歯を失うというイメージが強いのですが、実際には歯を失う主な原因は虫歯ではなく、歯周病です。前述のように、歯を支える組織がなくなってしまうため、一度にたくさんの歯を失うことも珍しくありません。

ですから認知症を予防するには、まず歯周病を予防し、歯を失わないようにすることが非常に重要です。

認知症の原因となりかねない歯周病を予防するには?
認知症の原因となりかねない歯周病を予防するには?

歯周病の原因は、お口の中に住んでいる歯周病菌です。これらの菌が増殖し、歯と歯ぐきの間に潜み、炎症を起こします。歯周病を予防するには、これらの菌が増殖しないようコントロールすることが大切です。

■毎日の歯みがき(セルフケア)
歯と歯ぐきの境目に歯周病菌がたまらないよう、正しく歯みがきすることが必要です。歯ブラシは軽い力で細かく動かし、歯ぐきもマッサージするようにしましょう。

また、歯と歯の間の歯ぐきが炎症を起こさないよう、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助的な用具も積極的に活用しましょう。歯ブラシだけでは、最大でも8割程度の細菌しか取れません。

歯周病菌を殺菌する作用がある歯みがき剤やジェル、うがい薬などを活用するのもよいでしょう。

■よく噛んで食事をする
現代人の食事は軟らかく食べやすいものが多いため、噛む回数が減っています。噛まなくなると唾液の分泌が減少します。

唾液はそもそも、天然の抗菌洗浄液ともいえる液体です。虫歯菌や歯周病菌の活動を抑えるさまざまな成分が配合されており、口の中は常にこの抗菌洗浄液で洗い流されている状態なのです。

噛む回数が減って唾液の分泌が少なくなると、当然のことながら歯周病菌の活動や増殖は活発になります。ひと口30回咀嚼するのが理想といわれていますが、そこまでできなくても、可能な限り意識して良く噛み、唾液をたくさん分泌するようにしましょう。

■定期的に歯科医院でケアを受ける(プロフェッショナルケア)
お口のトラブルの予防は、セルフケアとプロフェッショナルケアの二本立てで行うのが効果的です。3~6カ月に一度、とくに不具合がなくても受診し、歯周病の兆候がないかチェックしてもらいましょう。歯周病は初期から中期にかけて自覚症状がなく、知らない間にかかってしまっていることがほとんどです。プロの目で定期的にチェックしてもらいましょう。

同時に、歯周病菌の巣窟となる歯石を除去したり、歯をつるつるにクリーニングして細菌のつきにくい状態にしたりしてもらうことも大切です。また、セルフケアがうまくいっているかのチェックをし、改善点があれば指導してもらいましょう。

「何もないのに受診はどう思われるかな」と気後れする人もいるかもしれませんが、予約の際に「検診」と言えば、歯科医院サイドはすぐにわかります。ぜひ定期健診と予防の習慣をつけましょう。

■歯並びなど、歯周病を引き起こしやすい要素を排除しておく
歯周病になりやすい人は、キレイに歯磨きができていない人のほか、喫煙者や糖尿病のある人、生活習慣が乱れているなど、抵抗力の弱っている人です。あてはまる場合は、早いうちから生活を整え、抵抗力を向上させておきましょう。この生活習慣病が認知症に繋がるといった関連性もあるので、気をつけておくことをおすすめします。

また、歯並びの悪い人も歯周病になりやすいといえます。歯が重なったり、斜めになったりしている部分は、丁寧に歯みがきをしても細菌が残ってしまいがちです。実際、歯並びに問題のある部分が真っ先に虫歯や歯周病になることがほとんどです。また、歯並びが悪いせいでかみ合わせが偏り、歯に負担がかかって歯周病の悪化を早めることにもなります。

歯並びやかみ合わせに問題がある場合は、早いうちに矯正治療を行い、セルフケアのしやすい状態に整えておくのもよい方法です。正しい歯並びは、見た目や発音だけでなく、歯周病で歯を失うリスクを下げ、将来の認知症予防にもつながるのです。

認知症予防と歯周病予防が密接に関係していることについて、ご納得いただけたでしょうか。認知症につながりかねない歯周病を防ぐため、今のうちからできることをしていきたいものです。

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