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矯正歯科
2017.12.4

捻転歯の矯正治療|なぜ歯は捻じれて生えてくるのか

はじめに

歯が捻じれた状態で生えてくる「捻転歯」。非常に見た目を悪くしてしまうこの歯は、矯正治療の動機となることが多い歯です。しかし、なぜ歯が捻じれるという現象は起きてしまうのでしょうか。また、歯が通常よりも捻じれた状態であるために捻転歯と呼ばれていますが、具体的に捻転歯とはどのような状態の歯を指すのでしょうか。今回は永久歯が捻じれて生えてきてしまう捻転歯とその治療についてご紹介します。


捻転歯とは?
捻転歯とは?

「捻転歯」とは、基本的に正常な歯と比べて左右のどちらかに捻じれている状態の歯を指します。捻転といっても歯の位置による異変が多く、歯そのものが変形し捻じれるということは滅多にありません。また歯が縦ないし斜めに生えている状態で、かつ時計回り、もしくは反時計回りに捻じれることから「ROT(Rotated Teeth=回転した歯)」とも呼ばれます。歯が少しでも左右に捻じれていれば捻転歯とされますが、稀に歯が極端に90°以上捻じれているものも見られることがあります。

次に捻転歯は、歯のなかでも特に目立つ前歯の永久歯に見られることが多く、その他の永久歯が捻じれるケースはあまりありません。また早ければ乳歯の時点で前歯が捻じれるケースもありますが、乳歯は時間が経てば生え変わってしまうため、あまり気にする必要はないとされています。さらにここで注意が必要なのは、乳歯が捻転していたからといって永久歯も必ずしも捻転するとは限らないということです。

なぜ歯が捻じれてしまうのか?

捻転歯が出てきてしまう原因は、歯の大きさと顎のスペースのバランスが合っていないこととされています。日本人に多く見られる叢生(八重歯)を例に挙げると、これは歯が大きいことに対し顎が小さいことがおもな原因ですが、捻転歯の場合は少々厳密には異なります。

顎の形は基本的に誰でもアーチ状(弧を描いたような)の形をしていますが、顔の輪郭に個性があるようにこの形にもひとりひとり個性があります。たとえば顎が横に幅広い人がいれば、縦に細長い人もいるためです。横に幅広い人は前歯を中心に歯がきれいに並びやすいですが、縦に細長い人の場合、横に広がった形をした前歯は少々並びにくい環境であると言えるのです。

そのため、これが前歯にとっていわゆるスペース不足のような状態になってしまい、前歯が捻じれた状態で生えてきてしまうことがあるのです。

またそのほかに、歯の素である「歯胚(しはい)」というものが生まれつき歯が捻じれるように作られてしまうことで捻転歯になってしまう場合などもあるようです。

しかしなかには例外もあります。たとえば前歯が正中(中央)に向かって捻じれているのが特徴の「翼状捻転(よくじょうねんてん)」の場合、いくつもの原因が挙げられることがあるためです。

1.前歯の中心部分に過剰歯があるために捻転している
2.上唇小帯が前歯のあいだまで伸びている影響で捻転している
3.指しゃぶりや爪を噛むなどの悪癖の影響で捻転しているなど

このように前歯が捻転してしまう原因となる要素はいくつかあるため、必ずしも顎のスペース不足が原因となるわけではない場合もあるのです。

もし捻転歯を放置するとどうなるのか?
もし捻転歯を放置するとどうなるのか?

捻転歯を気にせず放置してしまう人はあまりいないかもしれませんが、もし捻転歯を矯正で治さずに放置してしまうとどのような影響が出るのでしょうか。ここでは捻転歯が影響するさまざまなケースをご紹介します。

■噛み合わせへの影響
捻転歯を放置してしまうと、まず歯の噛み合わせに影響してきます。前歯は大きな食べ物や麺類のような細長い食べ物を噛み切るはさみのような役割を持っています。しかし前歯が捻転しているために上下の前歯がうまく噛み合せられない状態になると、前歯としての機能がうまく発揮できなくなってしまいます。つまり、他の歯で前歯の役割を兼任しなくてはいけません。

そうすると、食べるものによっては顔を傾けながら食べなくてはいけなくなります。
これは前歯で噛めないために左右のどちらかの奥歯で食べ物を噛み切る行為をすることになるためです。また前歯が噛み合せられないことで、歯を噛み合わせた時の歯にかかる負担が奥歯に重点的にかかることになり、将来的に奥歯を早く失うことになる可能性もあります。

■虫歯や歯周病のリスクへの影響
捻転歯は虫歯や歯周病の原因となる可能性が高くなります。軽度の捻転の場合は歯磨きにあまり影響することはありませんが、90°以上捻じれている場合は歯を十分に磨くことが難しくなってしまいます。そういった状態が長く続くと、次第に歯垢や歯石が重点的に溜まっていき、それにより捻転歯を中心に虫歯や歯周病にかかってしまいます。

前歯は奥歯と比べて歯の厚みが少ないため、重度の虫歯になってしまうとあっという間に差し歯になってしまう可能性があります。また歯周病になった場合、前歯は根が長いため簡単に抜けてしまうことはあまりありませんが、歯ぐきが下がってしまうことで非常に見目の悪い歯になってしまいます。

捻転歯の治療について

捻転歯の原因はおもに顎のスペースと歯の大きさのバランスが釣り合っていないことが多いため、顎の骨格が成長することで自然に治るケースもあります。しかしいくら時間が経ってもなかなか捻転歯が治らない場合は、矯正治療をしなくては正常に戻ることはないと言えます。

そこで矯正治療を行う場合、捻転した歯をきれいに並べるために歯と歯のスペースを作る必要があります。つまり、矯正のための便宜抜歯を行うのです。これは骨格の成長が止まってしまったあとに矯正を行う場合ほど、抜歯をする必要性が出てきてしまうと言えます。

しかし、前歯が生え始めたばかりの早い段階で矯正を行うと、顎の骨格の成長を促す矯正も行いながら同時に歯並びを矯正できることもあります。そうすると抜歯を行わなくても捻転歯を矯正できる可能性が出てくるため、なるべく早い時期に矯正をはじめることをおすすめします。

捻転歯は子供のうちに矯正するのがベスト
前歯は永久歯のなかでも最初に生えてくる歯です。このため、皮肉にも捻転歯によって将来的に子供の歯並びが悪くなってしまうことに気づかされることが多いのが現状です。また前歯は一番目に付く歯であるため、捻転歯がコンプレックスとなり、口が開けられなくなったり、歯を見せて笑うことができなくなってしまっては気の毒と言えます。

もしお子様の捻転歯に気づかれた時は、ぜひ早めの矯正治療に取り掛かられることをおすすめいたします。

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