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矯正歯科
2018.07.25

歯の寿命が健康寿命を左右する。歯並びの重要性

はじめに

世界有数の長寿国である日本の関心はいま、「長生きすること」から「健康に長生きすること」に移っています。厚生労働省も「健康寿命」の増進に力をいれています。
その健康寿命に歯並びが大きく関わっていることをご存知でしょうか。一言でいうと、歯並びがよい人ほど健康寿命を長くすることができるのです。
つまり、歯科矯正を受けておけば、はつらつとしたシニアライフを送ることができる、ということです。
「歯並び」と「歯の寿命」と「健康寿命」の意外な関係を解説します。


そもそも寿命とは、そもそも健康寿命とは

日本人の平均寿命は女性が大体86歳、男性は大体80歳です。この年齢には、病気や障害などで寝たきりになって生きている人もカウントされています。
できれば老後も健康で生き生きすごしたいですよね。そこで厚生労働省は「健康寿命」という考え方を重視するようになりました。老衰で死ぬ直前までぴんぴん活動している生涯を「ピンピンコロリ(PPK)」ということもあります。健康寿命とは健康でいられる平均年齢のことです。
その健康寿命は、女性が約74歳、男性が70歳です。ということは男女ともに不健康な状態で生きる期間が10年以上あるということです。
そこで厚労省のみならず医者や歯医者も、健康寿命を平均寿命に近づける取り組みを進めているのです。

健康寿命に欠かせない歯の健康
健康寿命に欠かせない歯の健康

80歳で自分の歯を20本以上残そうという運動を展開している「8020推進財団」は「歯は全身の健康の原点」というスローガンを掲げています。
「心臓や脳や胃は全身の健康の原点」というのならわかりますが、なぜ歯なのでしょうか。

第一に、人の健康や生命は食べることで成り立っています。ということは、食べるために欠かせない歯は、心臓や脳などと同じくらい健康に関わる臓器・器官なのです。
そのため人の命を脅かす生活習慣病には、がんや心臓病などと並んで歯周病も含まれているのです。

ちなみに歯周病とは歯周病菌に侵食された歯のことをいいます。歯周病を発症すると歯を支える土台の骨が溶けていき、最悪、歯が脱落します。
歯周病菌は1㎎の歯垢(プラーク)の中に10億も存在するといわれています。歯周病菌は1種類の菌の名称ではなく、アクチノマイセス・ネスランディ菌やアクチノマイセス・ビスコーサス菌など10種類の菌の総称です。

本当に歯はそこまで重要なのか

確かに健康な歯が健康な体づくりに関係しているのは、そのとおりなのでしょう。しかし歯は本当に健康寿命を左右するほど重要なのでしょうか。
答えは「それくらい重要です」。

歯周病と全身の病気の関係性は研究が進んでいて、「歯周病と糖尿病」「歯周病と心臓病」は深い関係にあることが判明しています。糖尿病は悪化すると足の壊疽(切断)、失明、腎不全(人工透析)にまで進んでしまいます。心臓病は最悪、心筋梗塞を引き起こして死亡してしまいます。
歯周病が死の病と密接な関係を持つことから、「歯は全身の健康の原点」という考え方が生まれたのです。

また歯周病を持つ高齢の患者さんは、骨粗鬆症になりやすく、肺炎を起こしやすく、感染症にかかりやすいとされています。こうした病気は生活の質を著しく低下させます。
つまり歯周病を抱えたままだと、寿命は延びても健康寿命が短くなってしまうのです。
これも「歯は全身の健康の原点」を証明しています。

歯並びの悪さは歯の寿命を短くする

さて、歯の健康が全身の健康や健康寿命に深く関わっていることはわかりました。
しかし歯並びがなぜ健康寿命に関わるのでしょうか。それは次のように説明できます。
■健康寿命にとって歯の健康は重要
■歯並びの悪さは歯の寿命を短くする
■だから歯並びは健康寿命に深く関与する

そこで次に、歯並びの悪さが歯の寿命をどのように短くするのか、そのメカニズムをみてみたいと思います。

歯並びが悪いと歯磨きがきちんとできない
歯並びが悪いと歯磨きがきちんとできない

歯並びが悪いと歯と歯の間に歯ブラシの毛が届かない領域ができてしまいます。歯磨きがしっかりできないと歯垢がたまり、それが歯石になり、歯周病菌の巣になり、歯周病を引き起こします。
歯周病は最終的には歯を失わせますので、歯並びの悪さが歯を失うスタート地点になってしまうのです。

歯並びが悪いと歯へのダメージが大きくなる

歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなります。正しい噛み合わせとは、噛んだときに上下の歯の大多数が一斉に接触する状態のことをいい、そうなると噛んだときの衝撃が分散されるので、歯へのダメージが少なくなります。すなわち、歯が長持ちするというわけです。
逆に噛み合わせが悪いと、噛んだときに特定の歯しか接触しないので衝撃がそこに集中し壊れやすくなります。歯が1箇所壊れると、今度は別の歯が集中的にダメージを受け、やはり壊れてしまいます。
歯の崩壊のスタート地点も歯並びの悪さなのです。

歯並びが悪いと細菌が増えやすい

唾液は口のなかの細菌を殺す役割があるのですが、歯並びが悪いと唾液の出が悪くなり、細菌が済みやすい口腔内になってしまいます。
歯並びが悪いと噛みにくいので、食材をあまり咀嚼せずに飲み込む癖がつきます。唾液の量と噛む回数は比例するので、あまり噛まないとあまり唾液量が減ります。
歯並びの悪さは、口腔内の環境悪化を招くのです。

まとめ~美しさより健康重視で矯正しよう

歯並びが悪い→歯の健康が保てない→全身の健康が低下する――このような経路をたどって健康寿命が短くなることがあります。
歯並びの悪さを治す矯正歯科治療は審美性が注目されますが、実は人の健康にも深く関わっているのです。

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