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矯正歯科
2016.11.23

歯科矯正中の違和感は?滑舌が悪くなるのか

はじめに

歯科矯正にはさまざまなデメリットが伴うものです。その理由は歯につける矯正装置にあります。ワイヤー矯正の場合、歯にワイヤーを固定するための装置であるブラケットというものを接着します。これらの装置を歯の表面につけていることで他者から歯が見えた時に矯正をしていることに気づかれてしまい、見る側も見られる側も気まずく感じることがあります。さらに装置が口の中を圧迫し、装置をつけたばかりの時はしばらく強い違和感が生じます。

また装置によって粘膜が傷つき、それにより口内炎の原因になることもあります。このように矯正治療にはさまざまな弊害がつきものですが、そのなかでも今回は矯正による『滑舌への影響』について注目したいと思います。

装置による滑舌への影響
装置による滑舌への影響

ワイヤー矯正の装置を歯の表面につけることに抵抗を覚えてしまう方の場合、歯の裏側に装置をつける方法があります。しかしこれにより滑舌に影響が出てしまうようです。その理由は装置によって舌の動きが制限されてしまうことにあります。

言葉の発音はそのほとんどが舌の動きによってコントロールされています。そのため歯の裏側に矯正装置がつけられることで従来よりも内側のスペースが狭くなり、舌を動かす時に違和感が出やすいのです。ちなみに発音をする時に『歯の裏側に舌を押し付ける』動作が伴う言葉は「た行」「な行」「ら行」。これらの発音が伴う言葉を出す時はどうしても舌が歯の裏側に当たるため、発音に違和感が出る可能性があります。

違和感の大きさは装置を上の歯と下の歯のどちらにつけているかによっても変わってきます。もし上の歯に装置をつけた場合、舌の動きにはあまり影響がなく滑舌が極端に悪くなるといった例は少ないです。逆に下の歯に装置をつけた場合、舌を動かしている時だけでなく動かしていない時にも装置が舌に当たることから、滑舌に影響することが多いようです。

というのも、舌にはさまざまなところと神経がつながっており、さらに『味覚』だけでなく『触覚』と『痛覚』も感じています。そのため舌は非常に敏感な器官といっても過言ではなく、人によっては僅かな違和感でも強く感じることがあります。そのため従来の発音がしづらく感じ、それにより滑舌の悪さにつながっていくのです。

装置によって舌の組織が傷つき、口内炎などができてしまう場合は、その痛みにより舌の動きはさらに鈍ります。そのため歯科矯正で歯の裏側に矯正装置をつける際は、滑舌への影響も考慮して装置をつけなくてはなりません。

<歯並びや骨格>
矯正を始める前から滑舌が悪い場合は、歯並びや顎の骨格が原因となっている可能性が考えられます。言葉のほとんどは舌の状態によって発音が左右されますが、そのなかでも「さ行」「た行」といった発音の際に息を多く吐く言葉は歯並びの状態で発音が変わります。特に上下の前歯が噛み合わせられない出っ歯やオープンバイト(開咬)であったり、歯と歯の隙間が大きくあいている場合、通常よりどうしても息が漏れてしまいます。それにより「さ行」「た行」といった特定の言葉の発音が不明瞭になってしまうようです。この場合、歯科矯正で歯並びもしくは顎の骨格を改善する治療を行うことにより発音が改善されることがあります。

<舌の位置>
滑舌に影響するものは矯正装置に限ったことではなく、さまざまな要因があげられます。まず『舌の位置』が原因としてあげられます。舌は本来、口を閉じている時に上顎にくっついている状態が正常。これが完全に下に落ちてしまっている状態の舌を『低位舌』と言います。『低位舌』は滑舌を悪くしてしまうだけでなく、口呼吸になってしまう、二重あごになってしまう、睡眠時無呼吸症候群のリスクなど、さまざまなことに影響します。

『低位舌』は改善できるトレーニング方法があります。その方法はガムを使用したものや、舌を伸ばすトレーニング方法、口の中で舌を動かすトレーニング方法などがあります。どれも簡単に短時間で行える方法です。心当たりがある方はぜひ実践してみて下さい。またトレーニングは最低でも2週間以上継続するようにしましょう。

<舌小帯短縮症>
滑舌が悪くなってしまう原因として舌の位置のほかに『舌小帯短縮症』もあげられます。これは舌の裏側にある『小帯』という筋が生まれつき短い、もしくは筋が舌の先端近くまで伸びているために、舌の動きが通常よりも制限されてしまう病気を指します。これを改善するためにはトレーニングを行うほか、トレーニングでの改善が難しい場合は『小帯』を切除する手術が行われることがあります。さらに手術を行っただけでは滑舌は改善されないため、その後も発音のトレーニングが必要になります。

この病気を持つ方は舌を前に突き出そうとすると舌がまっすぐ伸びず、ハート型のような形になることが特徴になっています。心当たりがある方はぜひ鏡で確認をしてみるといいでしょう。

さまざまな障害
さまざまな障害

また滑舌が悪くなってしまう原因は、舌小帯短縮症のほかに『構音障害』があげられます。言葉は肺から息が送られ、喉を通り声帯で息を振動させ、さらに口、鼻にいたりそこで発音する言葉に変化します。このような言葉が作られる過程を『構音』といいます。

もし舌小帯短縮症ではないにも関わらず言葉が正しく発音できていない場合、この『構音』が行われている器官に異変が起きている『構音障害』の可能性が考えられます。

この『構音障害』にはさまざまなパターンがあります。『構音』が行われているどこかしらの器官の形が変わってしまっていることが原因で発音に障害が出ている『器質性構音障害』。『構音』が行われている器官に異常は見られないが、器官を正常に動かせていないために発音に障害が出ている『運動障害性構音障害』。聴力が失われ、器官をうまく働かせることができないために発音に障害が出ている『聴覚性構音障害』。

また器官の異常がなく、聴覚にも異常がないにも関わらず発音に障害が出ている『機能性構音障害』というものもあります。舌の状態が正常であるにも関わらず言葉の発音が不明瞭な場合は、これらの症状を疑うべきかもしれません。

まとめ

歯科矯正で使用される装置はワイヤーやブラケットだけでなく、マウスピースのように違和感がなく発音にも影響しづらいものが登場してきています。そのためワイヤー矯正に限らず、さまざまな装置での矯正の可能性も考えてみるといいでしょう。

滑舌が悪くなる原因は歯並びや舌などの異常だけでなく、脳の病気の兆候であったり、呼吸の仕方が原因であったりするなど非常にさまざまです。自分がどの程度滑舌が悪いのか、またその原因がどこにあるのかを明確に特定することが重要です。ぜひご参考にしてみて下さい。

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